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アスクル、稼ぎ頭に迫るアマゾンの影
アスクルの最大の収益源である企業向けネット通販に、米アマゾン・ドット・コムが本格的に乗り込んできた。最大の武器は圧倒的な物量と低価格。お膝元の米国ではサービス開始からわずか2年で100万社が利用するなど圧倒的な存在感を示す。日本でのサービス発表翌日、アスクル株は急落した。アスクルは独自商品などで差異化を図る構えだが、日本の小売りを丸ごと飲み込もうとするアマゾンだけに、投資家の不安はぬぐい切れない。


自社物流網やPB商品の強化でアマゾンに対抗する

 「低価格、購買の管理、まとめ買い。企業の購買で求められる全ての要望にアマゾンが応えます」。企業向けネット通販「アマゾンビジネス」が始まった9月20日、アマゾンジャパン(東京・目黒)のジャスパー・チャン社長はこう胸を張った。

 アマゾンの品ぞろえはオフィス用品に工具、自動車部品、医療用器具など2億点以上。約370万点のアスクルの企業向け商品数を大きく引き離す。

 今後はまとめ買いすると値下げされるほか、月締めの請求書払いや購買履歴の管理など、企業の購買に便利な機能を充実させた。「品ぞろえは従来、アマゾンで売っていたものとあまり変わらず、サービスを付け加えただけ」(市場関係者)との指摘もあるが、インパクトはてきめんだった。

 市場も敏感に反応した。アスクル株の終値は翌21日から3営業日で20日に比べ8%急落。10月13日の終値は3085円と、急落後の水準から浮上できていない。

 企業向け通販事業は、2017年5月期のアスクルの連結売上高3359億円の9割、営業利益88億円の全てを稼ぎだしている。成長期待が高い個人向けネット通販「ロハコ」は、2月に発生した物流倉庫の火災の影響で、18年5月期の部門営業赤字が避けられない見通し。当面は企業向け通販が踏ん張るしかない状態だ。

 アスクルの岩田彰一郎社長は7月、「アマゾンは優れた会社だが、世の中にアマゾンしかない状況は快適ではない」と強調。対抗意識を燃やしていたところに、「本丸」の事業に攻め込まれた形となった。

 現時点では、アスクルの顧客企業がアマゾンに雪崩を打って乗り換える動きはみられない。GMOインターネットは「アスクルには必要な商品が十分そろっている。検索も簡単で、配達も迅速。アマゾンへの切り替えは考えていない」と話す。別の大手企業も「今までのつきあいがあるし、移行は今のところ無い」という。

 アスクルも対抗策を急ぐ。低価格のプライベート・ブランド(PB)商品は現時点で約7000点に上るが、早期に1万点まで増やし、アマゾンとの違いを示す考えだ。すでに自社の物流網を全国に張り巡らせており、都市部の大半では注文した当日の配達が可能だ。商品数はアマゾンに劣るが、素早い配送にはアマゾンにも引けを取らないとの定評がある。

 ただ、アマゾンは短期的な収益よりシェア拡大を優先する傾向が強く、圧倒的な購買力を武器に「他社ではまねができない価格設定をしかけてくる」(国内EC大手幹部)。市場でも「中長期ではビジネス通販でも確実にシェアを高めるはず」(いちよし経済研究所の納博司首席研究員)といった見方が増えつつある。

 日経平均株価は13日、約21年ぶりの高値を付けた。9月20日の終値と比べた上昇率は4%だった一方、同期間のアスクル株は逆に8%下げていることも、市場の懸念を裏付ける。米国ではアマゾンの攻勢は「デス・バイ・アマゾン(アマゾンによる死)」とも呼ばれる。アスクルは社名の由来となった「明日来る」の通り、明るい明日を迎えられるか正念場だ。

日経新聞























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【2017/10/16 06:47】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
社員の行動を分析 「働き方改革」AIが指南
働き方改革の方針を人工知能(AI)で導き出す新サービスが相次ぎ登場している。政府はテレワーク・デイを2017年7月24日に開催。数千人規模で取り組んだNTTデータなど600社以上が参加する盛り上がりを見せた。各社は旺盛な関連需要を狙う。

 人事系コンサルティング会社のマーサージャパンは2017年6月、マイクロソフトのオフィス業務向けクラウドサービス「Office 365」を使った「働き方改革 AI業務改善支援サービス」を日本マイクロソフトと共同で始めた。TISやPwCコンサルティング、AIを使ったリスク検知サービスを手掛けるエルテスも2017年4月までに同様のサービスを始めている。

 各社のサービスは企業が蓄積した人事関連データをAIで分析して、社内における働き方の課題を導き出すのに使う。客観的なデータに基づくことで、働き方改革の方針を立てやすくする。

 業種・業態を問わず、企業にとって働き方改革の推進は喫緊の課題となっている。一方で「具体的に方針をどのように決めていけばいいのか、多くの企業が悩んでいる」とPwCコンサルティングの井手健一シニアマネージャーは指摘する。企業がこれまで取り組んできた人事制度改革などとは違うアプローチが必要になるからだ。


人工知能(AI)を採用した働き方改革支援サービスの流れ(画像提供:エルテス、TIS)

■日々の行動データを分析に利用

 各社の働き方改革支援サービスは二つの共通点がある。まず、人事評価をはじめとする人事データに加えて「いつメールを送ったか」「いつ会議に参加したか」といった行動データを分析対象にしていることだ。


AIを使った働き方改革支援サービス

 マーサージャパンの働き方改革 AI業務改善支援サービスやPwCコンサルティングの「ワークスタイルアナリティクス」はクラウドのデータを活用している。

 例えばマーサージャパンのサービスはOffice 365を使って社員がやり取りしたり書き込んだりしたメールやスケジュールなどのデータを分析し、会議やメールにどれくらいの時間をかけていたのかを可視化する。PwCコンサルティングのサービスはグーグルの「G Suite」も分析対象としている。

 マーサージャパンで組織・人事変革コンサルティングを統括する山内博雄プリンシパルは「オフィスワークの実態を把握しようとすると、従来はコンサルタントが現場でどの作業にどれくらい時間がかかっているのかを調査する必要があった。新サービスはOffice 365に日々蓄積される業務データを活用するので、業務の改善点を細かく抽出したり、改善の成果を確認したりしやすくなる」と説明する。

 エルテスが提供する「AI Analyticsシリーズ」はパソコン(PC)の操作履歴を分析対象とする。オフィスエリアに設置したビーコンで社員の位置情報を集め、分析するサービスなども提供している。

■分析や提案の効率化にAIを活用

 各社のサービスの二つ目の共通点は、様々な分野でAI関連技術を活用していることだ。行動データなどの分析に加えて、分析作業の効率化や改善アドバイスの自動提示などに使っている。

 TISとPwCコンサルティングは数理モデルに基づく機械学習を利用して、働き方改革の方針を立てるうえでのヒントを提示している。

 TISの「HRアセスメントサービス」を使ってある企業の人事データを分析したところ、「ある年齢以下の社員は異動が少ないと離職率が高くなる」との事実が判明したという。この結果から「異動が少ない若手社員の配置転換を検討するといった対策が講じやすくなった」とTISの宇杉功エンタープライズソリューション第3部長は話す。

 エルテスは分析作業の効率化に機械学習を活用している。例えば個々の従業員の行動パターンに応じて、操作ログデータを、仕事に必要な操作とそうでないものに分類しているという。

 エルテスの千葉純一郎事業戦略室長は「膨大な操作ログを1件ずつ人手で振り分けるのは労力がかかる。この作業を機械学習で自動化すれば、『仕事に無関係な時間がこれだけある』といった具合に現状をすぐに可視化して、対策を講じられる」と話す。

 マーサージャパンのサービスはOffice 365の可視化・分析機能「MyAnalytics」が備えるAI機能を利用して、働き方を見直すためのアドバイスを提示する。会議の参加者が関係のない作業をしていれば「そもそも出席する必要がないのではないか」などと指摘する。

 AIが日々の改善ポイントを示すのと並行して、現場に派遣した人事コンサルタントが従業員の働き方の改善支援などに注力する。


[日経コンピュータ2017年8月3日号]
























【2017/10/11 06:39】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
Google、「Google Home」と「Google Home Mini」の国内での発売日と価格を発表
本日、Googleがスマートスピーカー「Google Home」を日本でも発売することを発表しましたが、その後、Google Japanが、「Google Home」と「Google Home Mini」の国内での発売日を発表しました。


製品により発売日が異なっており、「Google Home」は10月6日午前10時より発売され、「Google Home Mini」は10月6日より予約受付が開始され、10月23日の発売となっています。

「Google Home「はGoogleアシスタントを搭載し、音声で動作するスマートスピーカーで、「OK Google」と声をかけるだけで、知りたいことを調べたり、音楽をかけたり、毎日のちょっとしたタスクをこなせたりする他、自宅の対応スマートデバイスを操作することが可能です。

なお、価格については「Google Home」は14,000円(税抜き)、「Google Home Mini」は6,000円(税抜き)となっており、Google Storeの他、auショップやビックカメラ、ヤマダ電機、楽天などで販売されます。
























【2017/10/06 06:42】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
アマゾン、マイクロソフトと音声認識AIを相互融通 競合を突き放し
【シリコンバレー=日経新聞】米アマゾン・ドット・コムとマイクロソフトは30日、人工知能(AI)を使った音声認識事業で提携すると発表した。年内にアマゾンの音声AI「アレクサ」、マイクロソフトの同「コルタナ」を相互に連携させて使えるようにする。音声認識市場でシェア争いが激しくなるなか、ライバル同士が手を組む異例の戦略をとる。


ライバル同士が手を組む異例の戦略を採用する
 利用者がいずれかの社の音声AIに呼びかけると他方の音声AIが作動するようにする。例えばアレクサを使ったアマゾンのスピーカー端末「エコー」に「コルタナを開いて」と声をかけると、本来は基本ソフト(OS)のウィンドウズ10が入ったパソコン端末などからしかつなげないコルタナの機能を使えるようになる。

 コルタナからアレクサにつなぐ場合の操作も同じだ。パソコンやコルタナが入ったスマートフォン(スマホ)などを通じて「アレクサを開いて」とコルタナに呼びかける。

 米グーグルやアップルなど競合がひしめく音声AI市場で相互連携は珍しい。アマゾンの音声AIはスピーカーを通じた音楽再生やネットでの買い物に優れているがスケジュール管理などは苦手。一方のマイクロソフトはその分野に強い。アマゾンのシェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は同日、「互いに補完し、顧客によりよい体験を提供する」と述べた。

 米調査会社のイーマーケターによると、音声認識AIが搭載されたスマートスピーカー市場でのアマゾンのシェアは71%と首位。グーグルがその後に24%と続く。マイクロソフトはウィンドウズ10を通じて約1億4500万のコルタナ利用者がいるとしている。

 今後はグーグルやアップルがどういった対抗策を打ち出すかに注目が集まる。マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは同日、「コルタナをあらゆる端末で使えるようにする」とコメント。ベゾスCEOも「エコーの利用者がコルタナにアクセスできるのは素晴らしいことだ」と述べた。
























【2017/08/31 06:32】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
オフィス緑化のストレス低減効果 脈拍データで検証
植物がストレスを抑えると知っていても企業にとっては取り入れ方や効果がわかりにくい。青山フラワーマーケット運営のパークコーポレーション(東京・港、井上英明社長)など3社は2つのデータを使い、導入を促す。緑視率と呼ぶ人の視界に占める緑の割合や、緑化した後の脈拍などストレス情報をオフィスの設計に生かす。


 総務の仕事を請け負うパソナ・パナソニックビジネスサービス(大阪府門真市、青山光洋社長)が、新サービス「コモレビズ」として販売を担当する。パークコーポは施工など実際のサービス運用を担う。事務受託の日本テレネット(京都市、古川昌美社長)を合わせた3社が協力して導入を呼びかけていく。

 パソナ・パナソニックビジネスサービスの岩月隆一副社長は、緑化の効果を「何となくでしかとらえられなかった」と話している。ただ、潜在的な需要は膨らんでいるとみている。2015年から従業員50人以上の企業にストレスチェックが義務付けられた。


■課題を聞き取り

 さらに、人材確保などに向けて働き方改革の流れがある中で、3社は保育や福利厚生といった社内制度の見直しばかりでなく緑化も職場環境見直しの検討課題に挙がってくるとみている。

 6月から営業を始めた新サービスのキーワードは「緑視率」と「生体情報」だ。

 企業が新サービスを利用する場合、まずパークコーポがオフィス設計の条件や課題を聞き取る。「人との距離が近くて息苦しい」など、悩みは千差万別。その上で、これまでの緑化のノウハウを生かし、植物の種類を選んで施工する。

 このときに緑視率を参考にする。豊橋技術科学大学の松本博名誉教授は日本建築学会で13年に、緑視率が高いと心理的なリラックス効果も高まるとの研究結果を発表した。長崎大学の源城かほり准教授も連携して研究。10~15%の割合が緑視率として最適だとの結果を得ている。新サービスはこの研究を設計に生かしていく。

 パークコーポは、実際にオフィスで働く一人ひとりを念頭に、どんな種類の植物を、どの位置に、どれくらい置くか検討する。

■脈拍チェック

 サービスでは、アンケートや脈拍によって心理、生理の両面からストレスを指標化し、データとして活用する。オフィスで働く全社員を対象に、緑化の2カ月前にいったん計測する。導入後は月1~2回計る。緑をどのように配置することが個別のオフィスに合った設計になるのか探りながら、最適な再配置を実現していく。

 脈拍をとるには指を差し込んで計測する専用機器を使う。今後も機器の開発を続ける。働く個人にストレスデータを渡す。管理者には、個人を特定できないよう現場の平均データをレポートとして提供する。こうしたデータによって、緑化環境見直しのサイクルを築くことができる。

 植物にはタマシダ、プテリス、シュガーバイン、ポリシャス、フィカス・プミラなどを採用する。プログラマーやシステムエンジニア、事務職など長時間にわたり集中力が必要な職場、クリエーティブ職や企画職など、柔軟な発想がもとめられる職場での活用をすすめたい考え。

 パークコーポは13年から、企業向けのオフィス緑化事業を始めた。その延長にある新サービスでは、19年までに累計85件の受注を狙っている。同事業の売上高を今後2年で2倍にしたいという。サービス価格は公表していない。

 競合企業でも、オフィス緑化に焦点を当てたサービスが相次いでいる。

 三井不動産100%出資の第一園芸(東京・品川、田中浩社長)は先月、オフィスを植物や音楽、照明、家具でトータルコーディネートする新ブランド「オアシーズ」を新設した。照明やフラワーアーティストなど各分野の専門家が、顧客の要望や予算を聞いて設計を引きうける。

 植物レンタルのユニバーサル園芸社は15年、植物を使った空間演出サービスを新ブランド「ザ・ファーム」として刷新。日比谷花壇(同・港、宮島浩彰社長)も同様のサービスを新ブランド「コトツリー」とした。

 ▼緑視率 人の視界に占める緑の割合で、緑の多さを示す指標。建築の分野で使われ、自治体がまちづくりの指針として活用してきた。空から眺めたときの緑の面積(緑被率)でなく、暮らす人の目線でとらえなおし、景観指標として利用できる。

[日経産業新聞2017年8月24日付]
























【2017/08/28 05:57】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ウオッチ型端末、ニッチでヒット連発 米ガーミン
世界のウエアラブル端末市場がにわかに脚光を集めている。長くスマートフォン(スマホ)に続く大型商品と期待されながらマイナーなイメージが定着していたが、米大手のガーミンがマラソンやゴルフなどスポーツ向けを中心に独創的な商品でヒットを連発しているからだ。ガーミンの快進撃に刺激を受けて国内外の家電大手も新商品の投入に動き出しており、ウエアラブル端末を巡る競争が過熱しそうだ。

 「主要なトライアスロン大会には常にスタッフを派遣している。走行ペースや心拍数など重要なデータを正確に測定できるよう参加者をサポートするためだ」――。自ら大会のサポート役も務めるガーミン日本法人の責任者である岩田元樹ディレクターは語る。


 ▼ガーミン ゲイリー・バレル氏とミン・カオ氏が1989年に創業した。業務用では航空機や船舶向けの機器、民生用では車載機器やウエアラブル端末などを手掛ける。全地球測位システム(GPS)を利用した位置情報の取得技術を得意とする。2000年にナスダックに上場。16年12月期の売上高は30億ドルを超える。ウエアラブル端末の販売が好調で、時価総額は1兆円を上回る。世界で1万1500人を超える社員が働く。

■練習法も「指導」

 多くのランナーが腕につけるのが全地球測位システム(GPS)に対応する看板商品「フォーアスリート」だ。2003年に発売してから進化を続けてきた。

 日本で最近発売された最新モデル(販売価格は税別5万7800円)は足の接地時間、スライド幅、身体の上下動などを解析、走行フォームの改善や疲労回復時間も表示する。端末の重量はたったの49グラムだ。岩田ディレクターは「(登録されたメニューをこなせば)3カ月でフルマラソンに挑める」というほどの完成度の高さだ。

 ガーミンはこれまで日本事業は販売代理店に任せていたが、16年にはGPS搭載型端末で国内販売シェアが首位となった。今年春には日本法人を設立し、すでに約80人の社員が働く。多くはスポーツ愛好家であり、ガーミン製品のファンだ。岩田ディレクターのように様々な大会やイベントに駆けつけて他の参加者と交流し草の根でファンを増やしてきた。これは世界各地で働くガーミンの社員たちも同じだ。



 米ガーミンの創業者の1人であるミン・カオ会長は「ガーミンという会社を愛する社員たちの強い情熱が結果的に顧客の心をつかんでいる」と強調する。

 カンザス州に本社を置くガーミンは01年、自動車に搭載する簡易型カーナビ(PND)を発売して急成長した。だが、07年発売の米アップルのスマートフォン(スマホ)「iPhone」などをPND代わりに使うユーザーが増えて売り上げが大幅に減少した。そこでスポーツ向けウエアラブル端末に軸足を移して累計2000万個を超える販売を達成。同社の16年12月期の売上高は30億ドル強で、売上高営業利益率は20%を超える。

 米IDCによると、16年のウエアラブル端末の世界市場(金額ベース)でガーミンはアップルなどに次ぐ3位だ。世界で600万個を販売し、1割程度のシェアだ。創業者の一人であるミン・カオ会長は「アップルにない独自性を追求している」と語る。ユーザー目線で独創的な商品を作り続けた結果、ファンから強く支持され、シェア以上の存在感がある。

 例えば、ゴルフ用端末「アプローチ」は日本でも好調な販売が続く。岩田ディレクターは「海外のゴルフ場に行くようなゴルファーにも愛用されている」と語る。

■キャディー不要

 同端末の最新機種では日本の約5000カ所を含めて世界全体で約4万のゴルフコースが登録。ユーザーがプレーするゴルフコースはGPS機能で自動検索され、ピンまでの距離や方向を瞬時に計算して表示。スイングをアドバイスする機能も搭載され、「現地のキャディーと言葉が通じなくても最適なプレーができる」(岩田氏)という。

 フィットネス向け「ヴィヴォスマート3」もガーミンらしい商品だ。各種センサーで腹筋やベンチプレスといったトレーニングの種類を自動で判別して回数を記録する。ジム以外で使えるようにストレスの度合いや眠りの深さまで判定できる。

 ガーミンは「ニッチ市場を深掘りする」戦略をスポーツ以外の領域でも展開している。日本で4月に発売した子供向け端末「ヴィヴォフィットジュニア」は1日に60分間の運動をするとゲームで遊べたり親子で一日の歩数を競ったりして楽しみながら運動できる。

 さらに人間以外もユーザーになる。近く発売されるのが愛犬などのペットに装着する端末だ。しつけに役立つ機能などが搭載されるという。

 カオ会長はニッチ戦略について「多額の投資を必要とするが、(競合他社にとって)参入障壁が高いため結果的に高い利益率を享受できる」と強調する。それが可能なのも創業以来、こだわってきた経営モデルがあるからだ。

■多彩1000種 効率生産 米ガーミン 開発からサポート一貫

 ガーミンが競合他社のまねできないニッチ戦略を貫けるのは垂直統合型経営を徹底してきたことがある。開発・設計、製造、販売、製品サポートという5つの部門すべてを自ら手掛けている。ニッチで勝負するには多品種少量となるだけに、効率を高めるには開発や生産など自社ですべてのオペレーションを担うことが重要になるからだ。


カオ会長

 ガーミンのミン・カオ会長は「アウトソースするより最も優秀な社員を自社で採用することがベストな選択肢だ」と強調する。ガーミンらしいニッチな商品やサービスを全社で展開するには会社を愛する社員が最も重要な財産との考えからだ。

 新商品の開発では各部門の社員が密接に連携する。多くは自社製品の厳しいユーザーであり、妥協なく取り組む。ガーミンの端末で重要な小型ディスプレーは各種の部材を独自設計して省電力化と視認性の高さを両立した。GPSを使っても1回の充電で21時間の駆動が可能。100キロメートルも走るウルトラマラソンのようなニッチな競技でも使いたいという声に対応して現場が一体となり実用化することができた。

 台湾台北市郊外の自社工場も強みだ。製造部門トップの黄宝蔵・総経理は「色や言語の違いも含めると1000種類ほどの製品を効率的に生産できる」と語る。多品種少量品を手掛けるだけに需要に機動的に対応しないと売り時を逸すからだ。

 ガーミンがこれから挑むのがビッグデータを活用したサービスの強化だ。「ガーミンコネクト」と呼ぶクラウドを運営し、1500万人以上のユーザーの利用データを蓄積しており、今後の事業展開では「宝の山」だ。

 ユーザーに対してよりきめ細かくアドバイスできる。高齢者向けの端末もこれから商品化していく考えだが、健康管理や見守りといった新たなサービスも展開できるようになる。カオ会長も「ガーミンが世の中にない事業を創造する可能性は無限大だ」と胸を張る。

 ガーミンの快進撃は業界で「奇跡的な復活」と見られている。アップルのスマホにより日本の携帯電話機メーカーなどが大打撃を受けて一部は撤退にも追い込まれたのとは対照的だからだ。アップルが「アップルウオッチ」を投入したが、ガーミンはニッチなヒット商品を連発して対抗、圧倒的に強いブランドを築き上げた。その戦略から日本の家電大手も学ぶことも多いといえそうだ。

■ウエアラブル進化 世界市場21年に2.3倍

 ウエアラブル端末は「身につけられるコンピューター」として注目されてきた。2012年以降、ソニーや韓国サムスン電子などが「スマートウオッチ」として製品を投入したが、ヒット商品にはならなかった。米アップルの「アップルウオッチ」(15年発売)も同じだ。米IDCの調査ではアップルの出荷額が16年に約50億ドル(5500億円)で首位だが、業界関係者が当初予想したほどの勢いはなかった。


 ウエアラブル端末の多くはスマホとの連携機能でメールなどが見られたりする周辺機器か、歩数計のような簡単な健康器具だった。中国企業の低価格品などが売れたこともあり、IDCの調査で16年の世界出荷は1億430万台と、14年と比べて3.6倍になった。

 それでもスマホの16年の世界出荷(14億7350万台)の14分の1に過ぎない。スマホと比べて嗜好性の高いだけにガーミンのようなユーザーに強くアピールしなければ高級機はなかなか売れない。

 だが、IDCのリサーチマネージャーのレイモン・リャマス氏は「(ウエアラブル端末は)新たな段階に入りつつある」と指摘。21年の出荷台数は現在の2.3倍の2億4010万台になると予想する。市場をけん引するのが高機能な腕時計型腕端末だ。16年は全体の5割弱だが、21年には7割近くに増えるという。

 IDCのリャマス氏は「(ウエアラブル端末は)有効なデータをいかに収集・分析してユーザーに提示するかが問われている」とも指摘する。人の健康状態などを測定できるセンサーなどの技術革新によりウエアラブル端末が一段と進化し用途が広がりそうだ。

■内外の各社追撃 カシオは高耐久で勝負

 国内外の有力企業も米ガーミンの快進撃に刺激を受けてスポーツ向けなどのウエアラブル端末で新商品の投入に動いている。ただ、ブランド力に優れたガーミンにない魅力を打ち出せるのか。それがウエアラブル市場で勝ち抜くためのカギになる。

 カシオ計算機で時計事業を率いる増田裕一取締役はウエアラブル端末について「ガーミンを意識している」と語る。


カシオはガーミン追撃でスポーツ機能を高めた「プロトレック」シリーズを強化(本社の商品展示施設)

 主力時計ブランドの1つの「プロトレック」シリーズで商品を展開。今年春に発売した最新機種「WSD―F20」では全地球測位システム(GPS)機能と地図を内蔵して、スマホが通信圏外になる山岳地帯でも現在地を表示できるようにした。発売後1カ月間の売れ行きは前モデルの2.5倍と好調だ。

 ただ、増田氏は「ガーミンと同じ土俵に上がれば消えてしまう」と率直に語る。腕時計「Gショック」で培った高耐久のイメージを前面に打ち出す。同社には省電力化や視認性の高いディスプレーなど技術的な強みもある。時計の販路なども使い、Gショック愛好家のような一般ユーザーの掘り起こしを狙う。

 ウエアラブル端末市場で世界2位の米フィットビットは日本で法人需要の開拓に動いている。フィットビットの製品は歩行などの運動量を測定する機能が中心で、健康志向のユーザーが多い。米国では肥満対策として急速に普及したが、日本では伸び悩んでいた。

 ただ、最近では従業員の健康を管理する「健康経営」に取り組む企業からの引き合いが増えてきた。フィットビット日本法人の千川原智康マネージャーは「法人需要の開拓によって(フィットビットの知名度を高めて)一般ユーザーの需要を喚起する」戦略を探る。


 今後のウエアラブル市場の勢力図を左右しそうなのがスマホの世界大手の動きだ。米アップルは主力の「アップルウオッチ」を軸にスマホとの連携機能を最大の強みとして拡販に動く。

 ただ、スマホで世界首位の韓国サムスン電子や同3位の中国・華為技術(ファーウェイ)はアップルとの違いを打ち出すこともあり、ウエアラブル端末の最新機種で「脱スマホ」と「スポーツ機能の強化」を打ち出した。サムスン電子はGPS機能を内蔵してスマホとの連動なしでもスポーツ時の活動状況を記録できる。ファーウェイもGPS機能を内蔵しスポーツ時に心拍を細かく測定する機能などを搭載した。

 一方、独自路線を歩むのがソニーだ。主力製品は時計のバンド部分に電子部品を搭載したウエアラブル端末「ウェナリスト」だ。電子マネーに対応し手首をかざすと決済できる。このほかにスマホとの連動機能や活動量計などの機能を備える。

 時計部分は既存のアナログ時計をベースにしているため、ウエアラブル端末の機能はすべてバンド部分に搭載している。7月にはユーザーの裾野を広げるためにバンド部分のみでの販売を開始し、既存の時計と組み合わせて自分だけのウエアラブル端末を作れるようにした。ソニーとしてもウエアラブル端末は今後の成長を見込めるだけに積極的に商品を投入していく考えだ。

 ガーミンの快進撃により、ウエアラブル端末というニッチ製品が存在感を増しつつある。スマホが成熟商品となるなか、世界の家電・スマホ大手がウエアラブル端末へのシフトを急いでいる。これから市場争奪戦が本格的に幕開けすることになりそうだ。


[日経産業新聞2017年8月14日付]
























【2017/08/20 07:00】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
SNSじわり世代交代 若者はインスタ支持
日米の交流サイト(SNS)で世代交代がじわりと進んでいる。利用者が20億人を超える世界最大のSNS「フェイスブック(FB)」の利用者が高齢化し、若者は写真共有アプリ「インスタグラム」などに流れている。欧州発の短文投稿サイト「マストドン」など新しいサービスも登場し、フェイスブックの「1強」の構図に変化の兆しが出ている。


 「昔の友達の投稿が延々と出てくるし、広告が多い」。都内在住の20代女性はFBを使わなくなった理由をこう話す。

 10~20代に人気なのはインスタグラムと短文投稿サイト「ツイッター」だ。

 FB傘下のインスタグラムはお気に入りの写真を友人らと見せ合えるのが魅力で、若い女性の支持率が高い。なぜ使うのかを尋ねると声をそろえて「(同年代の)みんなが使ってるから」。丸の内で働く20代女性は「SNSにははやり廃りがある。今一番はやっているのがインスタ」と話す。

 赤字続きで世界では苦戦するツイッターだが、日本は世界の利用者の10分の1を抱える。ツイッターの「つぶやき」は不特定多数が見られ、自分の活動や発言を広く共感してもらう使い方が一般的だ。

 最近は承認した仲間しか見られないようにアカウントの設定を変える「鍵アカ」という使い方が広がり、親などの干渉を避けたい若者の間で見直されている。中には「コミュニティーごとに複数のアカウントを持ち、コミュニティーの雰囲気に合わせた内容をつぶやいている」(別の20代女性)という猛者もいた。

 総務省が7月に公表した情報通信メディアの利用に関する調査によると、20代でFBを使う人の割合は54.8%と前回調査より6.8ポイント低下。10代では4.4ポイント低下の18.6%と2割を切った。

 一方、30~60代で利用率は上がっている。関係者によると、同窓会などの連絡用に使われるケースが多いという。

 20代のインスタグラムの利用率は45.2%と世代別で群を抜いて高い。ツイッターは20代で59.9%と5.1ポイント伸び、初めてFBを逆転。10代では1.9ポイント減ったものの、61.4%とFBの3倍超となった。

 総務省の調査で各年代とも最も使われているのは対話アプリ「LINE」だった。「トーク」と呼ぶチャット機能は短文で簡単にやりとりができるのが受けている。

 米国でもFBは依然、最も人気のあるソーシャルメディアだ。米ピュー・リサーチ・センターの調査によると2016年4月時点で、18歳以上の68%がFBを使っているという。2位はインスタグラムで28%。ツイッターは21%と5位だった。

 ただ、FB利用者の高齢化は米国でも着実に進んでいる。18~29歳の層で最低でも1つのソーシャルメディアを使うという人は86%と15年の調査より4ポイント減った。30~49歳は80%と3ポイント増。50~64歳は64%で13ポイント増えた。ソーシャルメディア市場の大半を占めるFBにとって、若者のつなぎ留めは大きな課題だ。

 ライバルは米スナップ社が手掛ける動画を使ったメッセージサービスの「スナップチャット」だ。受け取った動画が直後に消え、記録が残らず気軽だとしてミレニアルと呼ばれる若者世代の支持を急速に集めている。利用者は世界で1億6千万人を超え、特に10代でFBの市場を切り崩しているもようだ。

 米カリフォルニア州に住む大学生のエイアン・ベラスケスさん(19)は2年ほど前にスナップチャットを始め、2時間に一度は使うほどのはまりようだ。同世代の友人のほとんどが使っており、「代えの利かない唯一無二のサービス」と話す。

 企業も若者をにらんだソーシャルメディアの活用に動き出している。

 米スターバックスは昨夏、メニューにないイチゴ風味の飲料をインスタグラムに掲載した。タグに「ピンクドリンク」とのみ記載。店頭でピンクドリンクと注文すれば商品が出てくる仕掛けで、利用客が「秘密のメニュー」と自ら撮ったドリンクをインスタグラムに掲載した。

 短期間に掲載が10万件近くにのぼるなど一気に拡散。スターバックスは同ドリンクを今春からメニューに加えた。

 日本ではドイツ発祥の短文投稿サイト「マストドン」の人気に火が付くなど新興勢力も出てきている。数億~20億人の利用者を抱えるFBやツイッター、LINEも今の若者の支持を獲得できなければ、数年後、「オワコン(終わったコンテンツ)」になりかねない。

日経新聞























【2017/08/19 06:19】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
Teslaの新Model 3が目指す「キーのいらない」未来

Model3 No Key

Teslaが現在予約受け付け中のModel 3はキー要らずということで注目を集めています。

Fobキー消滅、代用はスマホ

現行の車の保有者がFobキーを紛失することは、オールドファッションな「車のカギを失くす」状況とは受けるダメージの点で意味合いが異なってきています。Fobキーの復旧のために費やされるエネルギーは何倍も大きいでしょう。

Fobキーの中には小さなチップや電気系統が埋め込まれているので街中で簡単にコピーできません。新たに手に入れるには専門ディーラーへ行く必要があり、費用も多大にかかります。

TeslaのModel 3ではFobキーが無くなり、スマートフォンで代用可能となります。Model 3はスマートフォンに搭載されたTeslaのアプリを感知し、使用者の個人認証を確認し、車のドアロックを外します。

さらにいつ発車し、いつエンジンを切るのかも感知します。

スマホの故障、Appがうまく働かない、充電し忘れやスマホそのものを忘れた、などという時のバックアップ用として長方形のプラスティック製のカードが2枚ついています。クレジットカードと同じサイズなので、ポケットの中や財布の中に保管し、必要になった時車のフロントドアの近くでスワイプして乗車しエンジンを始動させます。

またダッシュボードからは目に入る機器類などがすっかり排除され、すっきりとしたデザインになっています。

未来を示唆するTeslaの姿勢

車の生活が始まって以来、いつの時代もどの車にも装備されていた「必需品」が消える、Teslaの姿勢はこれからの車産業が向かうべき未来の方向を世界に示しているのかもしれません。

Source:OxygineMAG























【2017/08/15 06:03】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「iPhone 8」で追加される新しいカラーモデルは「ブラッシュゴールド」?? ー ストレージ容量は64GB/128GBとの情報も
次期「iPhone」こと「iPhone 8」では新しいカラーモデルとしてカッパーゴールドが追加されるかもしれないと噂されているのですが、予てからAppleの未確認情報を提供しているBenjamin Geskin氏が、「iPhone 8」の新しいカラーはFoxconn内部では「Blush Gold(ブラッシュゴールド)」と呼ばれているようだと報告しています。


また、そのストレージ容量は64GBと128GBになるとのこと。

この情報がどこまで本当かは不明ですが、ブラッシュゴールドは下記のようなカラーの為、噂されている”カッパーゴールド”よりも現在のゴールドモデルに近いカラーになるようです。



(Photo by Amazon)
























【2017/08/13 06:12】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
経費精算ようやく自動化 ロボソフトで働き方改革
事務作業などをプログラムで自動化する取り組みが広がっている。情報収集のためのウェブサイト巡回や経費精算のような日常業務をソフトウエアに任せ、空いた時間はほかの業務やプライベートに充てる。従業員の仕事量をIT(情報技術)の活用で減らし、働き方改革につながると期待されている。

■「満足度の低い業務を人がやるべきではない」

 「誰がやっても一緒。人間は満足度の低い業務をやるべきではない」。ITベンチャーのBizteX(ビズテックス、東京・港)の嶋田光敏社長は強調する。同社が提供するクラウド型サービス「コビット」を使えば、特定のウェブサイトを閲覧し、掲載情報を収集する定型業務を自動化できる。


 利用するにはまず、サービスの専用サイトにアクセスする。起動するブラウザーを使って普段の閲覧・収集作業を再現し、プログラムに動作を覚えさせる。記憶した動作はあとから簡単に実行できる。日時を指定して動かすことも可能だ。

 例えば、(1)求人情報サイトを訪問(2)掲載されている案件、求人を出している企業の情報などをコピー(3)表計算ソフトに転記――といった一連の動作を実行させられる。競合商品の価格情報のチェックにも使える。担当者が逐一、調べる必要がなくなるため、労働時間は年間で数百時間の削減になるという。

 嶋田社長はソフトバンク勤務時代、他社サイトの情報の収集作業をチームのメンバーに頼んでいたという。事業のために必要とはいえ、メンバーからすると雑用。「なぜ私が」と戸惑う相手を説得することもあった。プログラムが自動でやってくれれば、同僚や部下のモチベーションを下げることもない。

 こうした単純作業を自動化するサービスは「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」と呼ばれる。RPAテクノロジーズ(東京・港)の「ビズロボ」などが知られる。電通が7月に公表した労働環境改革の資料で「RPAによる自動化を推進」「2017年末までに300工程導入予定」と言及するなど、導入する日本企業が増えつつある。


RPAは電通の労働環境改革にも盛りこまれた

 ビジネスパーソンにとって煩わしさを感じる業務の代表格が経費精算だろう。ここにも自動化サービスの活用が見込まれる。米クラウド大手、コンカーテクノロジーズの日本法人の三村真宗社長は「働く時間のなかで経費精算は削りやすい」と語る。

 顧客企業を訪ねるために乗ったタクシーの料金を請求する場合、通常なら降車するときに領収書を受け取り、オフィスに戻って精算する。書類に記入したり、経費精算システムにデータを入力したりする。コンカーが提供しているシステムと連携しているタクシー配車アプリを使えば、料金の確定時に金額を自動でシステムに反映する。

 経費をITで管理するとガバナンス強化にも効果がある。すべての従業員の出張費をシステムで比較できるため、高額の申請があったときに対処しやすい。飲食店予約のサービスと連携すれば、接待費の無駄遣いを防げるかもしれない。

 多くの日本企業はこれまで、工場の生産性やコストを厳しく管理して改善させてきた。一方、オフィスでの取り組みは遅れ気味だったといえる。それだけにRPAをはじめとする自動化サービスは拡大が確実視される。とはいえ、闇雲に導入しても業務効率が高まるとは限らない。従業員がどのような作業に多くの時間をとられていたり、無駄と感じていたりするか、日常業務の課題の洗い出しが欠かせない。

日経新聞























【2017/08/12 06:30】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
スマホ経由、消費全体の8% 総務省の16年度調査
スマートフォン(スマホ)を使ったネットショッピングによる消費額が2016年度、消費総額の8%になったことが総務省の調査で分かった。スマホ向けゲームのほか、娯楽施設のチケットの購入などで多く使われた。旅行のための情報収集など、間接的に消費につながるような使い方も多く、スマホが消費に及ぼす影響は大きいと総務省は分析している。


ゲームのほか、娯楽施設のチケットの購入などで多く使われた

 総務省がスマホの利用動向についてアンケート調査し、その結果をもとに初めて算出した。直接買い物した金額を年代別でみると、最も多かったのは30歳代で月に平均1万235円だった。20歳代も9459円と1万円前後使っている。

 あわせてスマホで情報収集したことがどれだけ消費につながったかも分析した。最も多かったのは旅行・宿泊で月平均1404円となった。スマホでの情報収集の影響力が大きいと総務省では分析している。

 ただ、米国ではスマホによる消費額は消費総額の19%で、日本はまだ半分に満たない。日本のスマホ消費は発展途上だ。

日経新聞























【2017/08/10 06:26】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
資金調達や商習慣変革、スタートアップが開く新領域
船便や航空便を使う国際物流の支援、アパレル在庫の売買を促進――。8月3~4日に札幌市で開催となった起業家向けイベント「Bダッシュキャンプ2017」では、IT(情報技術)の活用が進んでいなかった業界の古い慣習を打ち破り、変革しようとするベンチャーの姿が目立った。仮想通貨を使った従来の常識を変える資金調達手段が登場するなど、環境や技術の変化も起業家たちの勢いを支えている。


輸出入業務の支援サービス「シッピオ」を紹介したサークルインの佐藤孝徳CEO

 「電話やファクスは当たり前。請求書管理はエクセルにベタ打ち。紙の日誌で貨物管理をしている」。サークルイン(東京・港)の佐藤孝徳最高経営責任者(CEO)は、アナログの事務作業が多く残る国際物流の現場を変えると意気込む。ベンチャー企業が次々と製品やサービスを紹介するBダッシュキャンプのビジネスコンテスト「ピッチアリーナ」で優勝を獲得したのは、三井物産出身の佐藤氏が開発した輸出入業務の支援サービス「shippio(シッピオ)」だった。

 受領した書類を画像化して自動で読み取り、通関に関する書類や請求書の作成まで一気に処理できる。事務員が紙の情報をエクセルに打ち込むといった手作業の入力が不要になるため。シッピオを使うことで80%の作業時間が削減できるという。荷主と運送事業者の間を仲介する貿易の手配事業者による利用を想定する。

 「三井物産の中ではできなかったことをする。海外物流を変えるという理念に共感する仲間とスピード感を持って進める」と佐藤氏。16年6月の会社の立ち上げから1年あまりの17年8月には試作版を公表。約60社からの引き合いがあるという。10月の正式版リリースに向けて急ピッチで準備を進めている。

■繊維業界もスマホ変革

 「組織が大きすぎるし、既存顧客とのしがらみもある。商慣習はそう簡単に変えられない。であれば外部から新しい仕組みを作るしかない」。そう考えたウィファブリック(大阪市)の福屋剛社長は、10年間勤めた繊維商社を退社し、繊維・ファッション業界の在庫問題を解決するためのサービス「SMASELL(スマセル)」を作り上げた。ウィファブリックもピッチアリーナで最終選考に残った企業の1つだ。


ピッチアリーナの審査員として音楽家の小室哲哉氏も参加した

 繊維・ファッション業界には、流行や天候の変化を予測することが難しいため、大量の在庫余りが生じやすいという問題がある。従来、在庫を抱えるメーカーは「業者に二束三文で買い取ってもらうか、産廃業者にお金を支払って在庫処分をしてもらうしかなかった」(福屋氏)。スマセルはそうしたメーカーと、商品を安く入手したいディスカウントショップなどをマッチングする。

 繊維・ファッション業界もITが十分に浸透していない。「いまだに出張や電話、ファクスなど昔ながらのやり取りで、狭い商圏の中で限られた点数の商品が売買されてきた」(福屋氏)。スマセルを使えばバイヤーはスマートフォン(スマホ)を使って、店や顧客層にあった商品を探せるようになる。サンプルの取り寄せや条件交渉もできる。7月にスマセルを本格オープンし、登録社はその後の2週間で100社に拡大した。「出品依頼総額は20億円に達している」(福屋氏)と手応えを感じている。

■広がるプロジェクト単位の働き方

 企業の規模やブランドに固執せず、必要であれば外部に飛び出して、自らの力で製品やサービスを作り上げる。若者たちがそうした意識を持ち、ベンチャーから多彩な製品やサービスが登場する土壌が広がりつつある背景には、仕事や働き方に対する考え方の変化がありそうだ。

 「趣味で映像を始めたころは、それで食っていけるのかと、よく大人に心配されたが、今は時代が違う」と話すのは、新時代の経営というテーマで登壇したセブンセンス(福岡市)の吉田拓巳代表だ。15歳で起業し、現在は22歳。プロジェクトマッピングや花火のイベントなど映像演出の多彩な事業を手掛けている。1つのプロジェクトで成功すると、ネット越しに評判が広がり新たな話が舞い込んでくる。「ネットのおかげですごく仕事を探しやすい」(吉田氏)と話す。


セブンセンスの吉田拓巳代表(左)とスクウェア・エニックス・ホールディングス元社長の和田洋一氏

 ネットで知り合った仲間などを集めて、現在の従業員は7人。「組織を作るという概念はない。会社にはしているが、何十年も続けたいわけでもない。自分たちがテンションを上げることができればいい」(吉田氏)と、規模の拡大を重視する考えはない。

 吉田氏と対談し、一定の理解を示したのはスクウェア・エニックス・ホールディングス元社長の和田洋一氏だ。「1つの会社に勤めるだけではなく、何かをするためにネットで個人の参加を募って成立させる。そんなプロジェクトベースの働き方が当たり前になる」と今後の働き方やベンチャー経営のあり方を予見する。

 ネット上でさまざまな才能が集まり、製品やサービスが生み出されていく。その過程の中で「個人の働き方も機能的に分化していく」(和田氏)と予想する。あるときは知り合いの事業、あるときは趣味のイベントやボランティアと、個人が多彩なプロジェクトに関わるようになるという。そのときに「経営者自身も1つの事業を手掛けるだけではなくなる。本当に何をしたいのか、ブレない芯をしっかり持つことが大事」(和田氏)と会場のベンチャー経営者たちに呼びかけた。

 ピッチアリーナの中でも、プロジェクト単位の働き方を支援するツールが登場した。Laboratik(ラボラティック、東京・渋谷)の「A;(エー)」は離れた場所や異なる時間で働くチームのコミュニケーションを円滑化するツール。チャットサービス「スラック」の対話を分析し、チームに所属する人々がどれだけ積極的に参加しているか、ネガティブな感情を持っていないかといった情報をグラフ表示する。「目の前にいないチームのメンバーの状態を時間をかけずに理解する方法は何かを考えて開発した」(ラボラティックの三浦豊史CEO)。6月に試作版を公開し、現在では550社以上が利用している。

■株の代わりに仮想通貨で調達


仮想通貨を発行することで資金調達をするICO(Initial Coin Offering、新規仮想通貨公開)に関する講演もあった

 資金調達のあり方でも、従来の概念を覆す変化が広がりつつある。株式などの有価証券に代わりに独自の仮想通貨を発行するICO(Initial Coin Offering、新規仮想通貨公開)とよばれる手法のことだ。Bダッシュキャンプ内でもICOに関する講演が来場者の関心を集めていた。

 「一番危機感を持っているのはベンチャーキャピタルだ」。ICOに詳しい森・浜田松本法律事務所の弁護士、増島雅和氏はそう説明する。海外ではブロックチェーン関連企業がここ1年にICOで調達した額はベンチャーキャピタルからの投資額を上回っているとする統計もあるという。

 有価証券による資金調達とICOの違いは何か。増島氏は「いくら稼ぐかというだけでなく、社会にどんな良い影響を与えるかという面も評価に反映されやすい」「国の違いによる規制がなく、世界から資金が集めやすい」といった違いがあると指摘する。

 ICOに似た仕組みで個人が自らの仮想通貨を発行できる「VALU(バリュ)」を運営する小川晃平代表も登壇した。「個人の価値を発掘して高めたい。そのための方法を考えた」として約2カ月前にサービスを開始した。当初の予想を上回る勢いで利用者が増えており「5000人程度の利用を想定していたが、その10倍ほどが集まっている」(小川氏)と手応えを得ている。

 8月上旬時点で仮想通貨のビットコイン価格は年初と比べて3倍という勢いで上昇している。ベンチャー企業がICOで発行した仮想通貨も、魅力的な事業のビジョンを提示できれば、ものによっては価値が高騰する可能性もある。

 ICOが注目を集める背景には「お金なんか大したことないよね、という世界を見ることができるかもしれない」(増島氏)という高揚感がある。その一方で、ICOがどこまで広がるかは不透明、という指摘もある。ベンチャー経営者にとっては急激な環境の変化に目を配りつつ、事業に何が有利かを冷静に見定める目も必要になっていきそうだ。

日経新聞
























【2017/08/09 06:14】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
気がつけばFinTech 日常に浸透、スマホ世代が支持
金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」が日常生活にも入ってきた。スマートフォン(スマホ)でQRコードを読み取ると、代金を支払えるサービスが相次いで登場している。スマホをかざすだけで注文と決済を同時にできるなど、ITベンチャーがユニークな仕組みを開発している。スマホに慣れ親しんだ若い世代の支持を集める。


「ペイモ」は商品ごとにQRコードを発行し、注文や会計の作業量を減らす

 金曜日の夜8時。駅前にある居酒屋は仕事終わりの会社員らであふれかえっている。ありふれた光景に見えるが、店内にレジはない。また、顧客は何度もスマートフォン(スマホ)をメニューにかざしている。店員は注文をとっていないにもかかわらず、しばらくするとビールや料理を運んできた。食べ終えると、会社員らは店員に話しかけることなく帰宅した。

 8月にエニーペイ(東京・港)が始める決済サービス「paymo(ペイモ)QR支払い」が普及すると、こんな光景が当たり前になるかもしれない。ペイモQR支払いはQRコードを読み取ることで、注文と決済が同時にできる。

■商品別にコード

 事業者はエニーペイの決済サービスの管理画面で商品名や価格などの情報を入力し、商品ごとのQRコードを発行。商品カタログやメニューにQRコードを載せる。顧客はアプリを起動して購入する商品のQRコードを読み取れば、登録しておいたクレジットカードなどで料金を支払える。

 顧客は店員に注文内容を告げなくてもよく、会計の順番を待つことなくレジを素通りできる。事業者にとっても店員の注文や会計の作業量を減らせる。現在よりも少ない人数で運営できる可能性がある。

 すべての商品ではなくても、ビールなど頻繁に購入される商品のQRコードをレジ横やメニューに貼り付けるだけでもメリットはある。導入する予定のカフェ運営のワット(東京・目黒)の庄司真帆プロジェクト・マネジャーは「最も注文の多い『本日のコーヒー』のQRコードを発行してオペレーションの簡略化につなげたい」と語る。

 庄司氏は「急いでいる顧客は多い。会計時間が短くなれば利便性の向上につながる」と、店舗と顧客の双方にメリットがあると指摘する。会計にかかる作業量が減れば、商品をより早く提供できる。座席の回転率の上昇や、混雑を嫌って来店しなかった消費者の獲得にもつながりそうだ。

 「Origami Pay(オリガミペイ)で」。カナダ出身で東京都港区に住む会社員、ザン・ジムさん(26)は半年前から、タクシー料金を支払うときにこう伝えている。ザンさんが使っているのは、オリガミ(東京・港)が提供するQRコードを使った決済サービスだ。

 助手席の背面にあるタブレットに金額とQRコードが表示される。金額が料金メーターとあっているか確認し、QRコードをスマホで読み取ると支払いが完了する。かかった時間は4~5秒だ。ザンさんを見て、同世代の友人らもオリガミペイを使うようになった。オリガミペイの利用者は、ザンさんのような20~30歳代が約5割を占める。

■アリペイと連携

 オリガミは康井義貴社長が2012年に立ちあげた。前職のベンチャーキャピタル勤務時代、米国や中国でフィンテック分野のサービスが続々と生まれる様子に衝撃を受けた。「資金移動のビジネスモデルは根本から変わる」。起業を決め、16年5月にオリガミペイのサービスを始めた。

 利用者はオリガミペイのアプリにクレジットカードを登録しておく。QRコードを読み取って決済すると、カードの口座に代金が請求される。カードを事業者に手渡さないため、カード番号の漏洩リスクを抑えられる。前払い方式の電子マネーと違い、チャージ不足と分かってレジ前で慌てることもない。

 事業者が用意するのはタブレットと通信環境だけでいい。専用の読み取り機器は不要。初期費用や毎月の利用料金もかからず、3.25%の決済手数料をオリガミに支払うだけだ。中国アントフィナンシャルサービスグループのモバイル決済サービス「アリペイ」とも連携できる。


 カジュアル衣料専門店のジーンズメイトは49店に導入した。アリペイのユーザーである訪日中国人を呼びこみ、「客単価が通常の1.5倍になった。18万円分を購入した顧客もいる」(ジーンズメイトの三好秀樹執行役員)。ほかにロフトやAOKIなど約1500社が2万店で導入している。康井社長は2年後をメドに20万店まで増やす狙いだ。

 フィンテックは既存の決済手段であるクレジットカードの利用の裾野も広げている。「クレジットカード決済できるかどうかでホステルの予約率は変わる。『コイニー』があって良かった」。訪日外国人が安価に泊まれるホステルを運営するワイズアウル(東京・港)の中島明日香マネージャーはほっとした表情を見せる。同社は1年前、コイニー(東京・渋谷)のシステムを導入した。

 コイニーは専用回線を引かなくても、小型の読み取り機器とタブレットでカード決済できる中小企業向けシステムを提供する。利用審査などを電子化し、導入までにかかる期間を最短3日と従来方式の1~2カ月から大幅に短縮。入金は最大で月6回と、従来方式の1回より多い。中小企業の資金繰りの悪化を防ぐ。


 日本は銀行のほか、コンビニエンスストアなどにATMが設置され、現金の引き出しに苦労しない。依然として現金が決済の主流であることに加え、「Suica(スイカ)」に代表される電子マネーの発達もあり、QRコードなどを使った新しいモバイル決済の普及は道半ばだ。

 一方、米調査会社のフロスト&サリバンは、日本を含むアジア太平洋10カ国の21年のモバイル決済市場が、16年比3.8倍の2700億ドル(約30兆円)まで成長すると予測する。訪日外国人は増加傾向にあり、東京五輪の開催も控える。外国人の消費をより多く呼びこむには、安全性や利便性の高い決済インフラが欠かせない。フィンテック分野のベンチャーの役割は大きくなりそうだ。

■フィンテック、日常にじわり

 フィンテックは決済だけでなく、貯金や送金の分野にも広がっている。貯金アプリは買い物のおつりを自動で口座に入金するなど、お金をためやすくする機能を充実させている。送金アプリは外食店での割り勘のほか、夫婦間のお金のやりとりにも使われている。

■レシート家計簿

 コツコツためられる方法として定着している100円玉貯金や500円玉貯金。難点は貯金箱が重くなってしまうことだった。ネストエッグ(東京・千代田)が2016年12月から配信している自動貯金アプリ「finbee(フィンビー)」なら、スマホが貯金箱代わりになる。

 利用者は海外旅行を目指す「海外貯金」や、洋服・バッグの購入を狙う「オシャレ貯金」など、用意された13のカテゴリーから目的を選ぶ。次に目標金額と達成期日を入力すると、自分の銀行口座からフィンビー用の銀行口座に自動でお金を移動させる。

 「おつり貯金」を選ぶと、買い物で受けとる端数がフィンビー用の銀行口座に入る。フィンビーに登録したデビットカードで890円の買い物をしたとする。デビットカードからは1000円が引き出され、差額の110円が貯金に回る。スマホの歩数計アプリと連携して「1日1万歩を歩かなかったら500円」のような、罰則型の貯金方法も利用できる。

 日常生活に浸透しているフィンテックの代表例は家計簿アプリだ。2012年設立のマネーフォワード(東京・港)がよく知られるが、Zaim(東京・渋谷)の「Zaim(ザイム)」など多くのアプリが利用者を獲得している。

 「学生時代は家計簿をつけても、三日坊主で終わっていた。ザイムはレシートを撮影するだけでいいため、もう2年間も続いている」。兵庫県に住む会社員の中東太一さん(28)は、15年に社会人になったのをきっかけにザイムを使い始めた。

 ザイムは購入した品目と金額を自動的にアプリの家計簿に記録する。利用者がスマホでレシートを撮影すると、レシートに印刷されている店舗や品目、金額を読み取る。コンビニエンスストアで購入した弁当は食費、タクシー料金は交通費などと、自動で90以上のカテゴリーに振りわける。細かい分類を除けば、わざわざ手作業で入力する必要はない。

 また、「クレジットカードによる支払いを、カードごとに見られるのも助かる」(中東さん)。銀行口座やカードを登録しておくと、口座引き落としやカード利用の履歴も自動で反映される。基本サービスは無料。収入や支出の推移を見たり、医療費控除の計算などのサービスを使ったりするには有料会員になる必要がある。


■親子で居酒屋で

 「母さん、美容院に行くから4000円貸して。スマホに返しておくから」。東京都世田谷区の会社員、進祐二郎さん(25)は現金を持ち歩かない。美容院やラーメン店などで、どうしても現金が必要なときは母親から借りている。

 進さん親子が使っているのはLINE子会社、LINE Pay(ラインペイ)が運営するスマホ向けサービス。無料対話アプリ「LINE」に登録している「友だち」へ指定した金額を送ることができる。銀行口座などからラインペイの口座に入金して使う。

 ラインペイのようにお金の貸し借りや割り勘、イベントの集金などに使える送金サービスも増えている。ヤフーは16年5月から電子マネー「Yahoo!マネー」を送金できるようにした。Kyash(キャッシュ、東京・港)が今年4月に提供を始めたアプリ「キャッシュ」もその1つだ。

 例えば、3人が居酒屋で1万1550円を使ったとする。均等に割れば1人3850円。送金アプリなら小銭をやりとりしなくても、幹事に送金できる。活用方法は幅広いだけに、ベンチャーだけでなく、LINEやヤフーのような大手インターネット企業も参入する激戦地になっている。

 フィンテックに詳しいトーマツベンチャーサポート(東京・千代田)の大平貴久氏は「ベンチャーがフィンテックサービスの拡大をけん引している」と指摘する。銀行法の改正で金融機関が事業会社と提携しやすくなったこともあり、新しいサービスの開発が加速している。

 スマホ保有率の上昇にあわせ、モバイル決済のニーズは高まっている。「クレジットカードを店員に渡すことに抵抗を感じたり、財布を持ち歩かずスマホ1つで買い物したいと思ったりしている人は増えている」(大平氏)。ベンチャーはそんな生活者の志向の変化をとらえ、ユニークなサービスを投入している。

 小売・外食業界などの事業者もモバイル決済を導入すれば、会計の作業量削減につながる。依然として人手不足は解消されておらず、フィンテックは省力化に役立つと期待される。ただ、決済手段が多様化すればするほどオペレーションが複雑になり、従業員が対応しきれない可能性もある。入れ替わりの激しいアルバイトやパートに効果的な教育を施せるかも重要になりそうだ。

[日経産業新聞2017年7月31日付]























【2017/08/05 06:48】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
エコシステムか賢さか、「AIスピーカー」Amazon対Google
米Apple(アップル)も2017年12月の新製品投入を発表するなど、世界で開発競争が活発化しているAI(人工知能)スピーカー。現時点でこの市場で圧倒的に優勢な米Amazon.com(アマゾン)の「Amazon Echo」を、米Google(グーグル)の「Google Home」が追従する格好となっている。果たして、Google Homeに勝ち目はあるのか。米国在住の記者が両製品を試してみた。


Amazon Echo(左)とGoogle Home(右)

 Amazon Echoの発売は2014年11月であるのに対して、Google Homeの発売は2016年11月。市場での存在感は、2年先んじたAmazon Echoが圧倒する。米国の調査会社であるConsumer intelligence Research Partnersによれば、2016年のAmazon Echoの年間出荷台数は800万台を超えたという。

 Amazon Echoの音声アシスタント「Amazon Alexa」の機能を拡張する「Alexaスキル」の種類も、2017年2月に1万種類を超えた。Alexaスキルはパソコンやスマートフォン(スマホ)のアプリケーションに相当するもの。アマゾンが用意するAlexaスキルのストアから、どのスキルを導入するかを選択できる。ストアではキーワードによる検索もできるし、ユーザーによるスキルのレビューも掲載されている。

 Google Homeが搭載する音声アシスタント「Googleアシスタント」にも「Action」や「App」と呼ぶ機能を拡張する仕組みがある。しかしこれらのストアは用意されていない。Google Homeで利用したい機能がある場合は、Google Homeのスマホアプリの設定画面から「Assistant apps」という項目を開いて選択する仕組みだが、機能がアルファベット順に並んでいるだけで、使い勝手はよくない。

■エコシステムではAmazon Echoが先行

 いわゆる「エコシステム」の充実度では、完全にAmazon Echoに軍配が上がる。アマゾンは既に、小型スピーカーの「Echo dot」や、Amazon Echoに画面が付いた「Echo Show」、ユーザーが身に着ける衣類のスタイリングを選ぶ手助けをするカメラ搭載Echoである「Echo Look」など、Echoファミリーを拡充している。

 音声アシスタントのAmazon Alexaは、こうしたEchoファミリー以外にも、Amazonの「Fire TV」や「Fire Tablet」だけでなく、Amazon以外のサードパーティーのスマートウォッチやスピーカーなどに続々搭載されている。

 それに対してGoogleアシスタントを搭載する端末は、現状ではAndroidスマホとGoogle Homeに限られる。グーグルはアップルの「iPhone」にもGoogleアシスタントを提供するほか、Android搭載のスマートTVや車載端末にもGoogleアシスタントを搭載する方針を示しているが、エコシステムの構築はこれからだ。

 もっとも音声アシスタントの性能を比較すると、Googleアシスタントを搭載するGoogle Homeが、Amazon Echoに比べて優位のようだ。Amazon EchoとGoogle Homeに同じ質問を投げかけてみて、その結果を比較した。

■間違った質問にも正しく答えるGoogle Home

 まずはAmazon EchoにAmazon.comの株式時価総額を、Google HomeにはGoogleの株式時価総額を聞いてみた。

 Amazon Echoが「分かりません」と答えたのに対して、Google Homeは「午後4時の終値を元にした米Alphabet(アルファベット:グーグルおよび関連企業の持ち株会社)の株式時価総額は~」といった具合に返答した。ここで興味深いのは、Google Homeに対してグーグルの株式時価総額を質問したのに対して、Google Homeはその持ち株会社で上場しているアルファベットの株式時価総額を答えた点だ。

 Googleアシスタントは、Google検索に実装されている「ナレッジグラフ」を活用している。ナレッジグラフとは、あるモノとモノの関係性についての知識の集合体だ。Googleアシスタントは、グーグルの親会社がアルファベットであることを理解している。だからグーグルの株式時価総額を尋ねるというピント外れの質問に対しても、的確に回答したわけだ。

 続いて「オフィスまで何分かかる?」と聞いてみた。Amazon Echoは、この質問の意味を理解できなかったのに対して、Google Homeは自動車で移動した場合の所要時間を返答した。実は記者は「Googleマップ」に、自宅の住所と職場(オフィス)の住所を登録している。そのためGoogleアシスタントは、Googleマップに登録された住所を使って、Google Homeが設置された場所から筆者のオフィスまでの所要時間をGoogleマップの交通情報に従って答えられたわけだ。

 Amazon Echoも、自分がよく出かける場所の住所を1カ所登録しておくと、Amazon Echoが今ある場所から登録住所までの所要時間を答えてくれる。オフィスの住所を登録しておけば、そこまでの所要時間を検索することは可能だ。しかしAmazon Alexaは、その住所が記者のオフィスだとは認識していないということだ。この辺りは、グーグルの各種クラウドサービスと連携しているGoogle Homeの有利な点だ。

■音声合成機能

 翻訳機能も検証した。両方に「フランス語で『おはよう』は何と言う?」と質問した。するとGoogle Homeは、Google翻訳の機能に基づき「ボンジュール」と発音した。それに対してAmazon Echoは「結果を発音できないので、Amazon Alexaのスマホアプリを見て下さい。翻訳機能が欲しい場合はスキルを追加してみてください」と答えた。


Amazon Alexaアプリの画面。Alexaに翻訳を依頼した結果は、Alexaアプリで確認する

 実際にAlexaのスマホアプリを見てみると、確かにそこには「Bonjour」という答えが表示されていた(図)。Googleアシスタントは多言語に対応した音声合成機能を備えているが、Alexaにはまだそうした機能は実装されていないようだ。

 音声アシスタントの賢さでは、Google Homeが備えるGoogleアシスタントが、Amazon EchoのAmazon Alexaを上回るように感じた。米国の調査会社であるStone Temple Consultingによる調査でも、そうした結果が出ている。2017年1月に同社が発表したレポートによれば、同社がGoogleアシスタント、Amazon Alexa、アップルの「Siri」、米Microsoft(マイクロソフト)の「Cortana」の賢さを検証したところ、Googleアシスタントが他を大きくリードしたのだ。

■音声アシスタントの賢さには大きな差

 同社が5000件の質問を四つの音声アシスタントに投げかけたところ、Googleアシスタントの回答率が68.1%で、その正答率は90.6%。いずれの数値も四つの中で最も高かった。

次に成績が良かったのはマイクロソフトのCortanaで、回答率は56.5%、正答率は81.9%だった。この二つに対して、アマゾンのAlexaは回答率が20.7%で正答率は87.0%、アップルのSiriは回答率が21.7%で正答率は62.2%と振るわなかった。

 音声アシスタントの賢さは、Webの検索エンジンの有無、特に「ナレッジグラフ」の有無に大きく左右されるようだ。マイクロソフトの検索エンジンの「Bing」にナレッジグラフを実装している(日本語にはまだ無い)。ナレッジグラフがあれば、音声アシスタントは質問文の内容を類推して補うことができるため、より多くの質問に答えられるようになるからだ。

 エコシステムのAmazon Echoに対して、賢さのGoogle Home――。現時点での両者を比較すると、このように言えそうだ。


[ITpro 2017年6月30日付]























【2017/08/05 06:48】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
IoTで自動発注・決済 三菱UFJがシステム開発
三菱UFJフィナンシャル・グループは、あらゆるモノがネットでつながる「IoT」の決済システムを開発する。家電や自動車のメーカーなどと組み、モノやサービスをネットで自動発注して決済まで終えられる仕組みをつくる。IoTに適した金融のインフラを整え、新しいサービスの普及を後押しする。

 10月に「ジャパン・デジタル・デザイン」と呼ぶ新会社を立ち上げる。資本金は30億円で当初は三菱UFJが全額出資する。人工知能(AI)に詳しい技術者やデータ分析の専門家ら30人程度を採用する。

 目指すのはIoTに対応した決済システムづくりだ。例えば冷蔵庫がインターネットにつながると、ペットボトルの飲料の中身をセンサーで見ていて、少なくなると自動で注文するといったサービスが考えられる。このときに、自動で決済まで終えられる仕組みはまだない。

 決済の手法としてはクレジットカードやデビットカード、仮想通貨などが考えられる。いまはパソコンやスマートフォンで決済するが、自動車や家電と直接つなぐ仕組みをつくる。

 決済インフラは情報漏れや不正アクセスを防ぐ高度なセキュリティーが必要。冷蔵庫やエアコンなどあらゆる機器からの侵入を防ぎ、不審なアクセスを把握する体制を築く。

 決済インフラをもとに、新しいサービスの企画から家電製品への実装までを手掛けられる体制にする。決済の動きを個人ベースで把握すれば、そのデータを新たな商品づくりに生かすことができる。新たなサービスづくりをするため、銀行内の組織ではなく、新会社を設ける。

 4月に改正銀行法が施行され、銀行は金融とIT(情報技術)を融合したフィンテック関連の企業を設立できるようになった。三菱UFJは独自の仮想通貨「MUFGコイン」の発行準備もしている。決済の技術をネットに結びつけ、ビジネスの拡大を狙う。

 新会社は静岡銀行や八十二銀行、常陽銀行など30行以上の地方銀行からも出向で社員を受け入れる。地方の実情を踏まえ、中小・零細事業者が発行するQRコードをスマートフォンで読み込むだけで、簡単にキャッシュレス決済を導入できる仕組みも開発する。

日経新聞























【2017/07/31 06:13】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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