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2012年ふりかえり クラウド、生活空間、モバイル「3つのシフト」--2012年のアップル製品を振り返る



iTunesからドライブをかける「クラウドへのシフト」

 iDisk、.mac、MobileMe、そしてiCloud。Appleのネットサービスはお世辞にも上手くいったとは言えないものが多い。上手く動作しなかったり、ダウンが起きたり、他のクラウド専門のアプリに比べて機能や自由度で2、3歩遅れることは珍しいことではなかった。iCloudはiOSユーザーに無料で5Gバイトのバックアップ空間を提供するということでユーザーを伸ばしているが、現状それ以上の使い勝手が評価されているわけではない。

 しかし2013年以降、Appleのクラウドへのシフトは加速するかもしれない。


2013年にAppleを退職するScott Forstall氏

 ご存じの通り、iOS 6の地図問題を始めとした社内の不調和を払拭すべく、10月にApple始まって以来と言われる大幅な組織改編が行われた。最も大きな変化は、これまでスティーブ・ジョブズ氏の側近とも言われたスコット・フォーストル氏が役員を退任することだ。そして既存の役員の担当範囲を拡大させる形で、業務の範囲を整理した。この整理は、非常に納得感のあるものだった。

 ジョナサン・アイヴ氏がプロダクトデザインに加えてソフトウェアのユーザーインターフェースも担当することになった。またクレイグ・フェデリギ氏がOS XだけでなくiOSのリーダーになり、OSを統括するようになった。そしてエディー・キュー氏がiTunes、App Store、iBook Store、iCloudに加えて、Siriと地図を担当することになった点だ。

 こうした組織の統合によって、デバイスとソフトウェアのユーザー体験、OSプラットホーム、オンラインサービスがより深い統合と調和を見せるようになるのではないか、と予測する。そしてそのきっかけとして、11月にリリースされたiTunes 11での体験がベンチマークになる。

 クラウドへのシフトは、我々消費者の言葉で言い換えれば、「(データの)所有から、所有しない」方向に変わるということだ。iTunes 11の音楽ライブラリは、実際にMacに保存されている音楽に加えて、iTunes Storeで購入済みの楽曲もリストされる。必要であればその場でダウンロードできる仕組みだ。

 Apple TVを使っているとより分かりやすい。購入済みの楽曲を再生することができる他、米国などで提供されている自分のライブラリの情報から所有しているコンテンツを認証・利用できるiTunes Matchでは、CDから読み込んだ音楽であってもサーバからダウンロードして利用できるようになる。

 特に前の項目で進むモバイル化によって手元のストレージのサイズが小さくなることを考えると、クラウドを意識せずに利用できるようにする連携は不可欠で有り、ユーザーへのメリットも大きくなる。

 こうした「意識しないクラウド活用」が、iTunes以外にも拡がっていくことが見込まれ、これがAppleのクラウドへのシフトとして認識できるようになると考えている。

デジタルからリアルへの「生活空間へのシフト」

 最後は特にiPhoneが牽引しているシフトだ。モバイル化によってソフトウェア、アプリ、クラウドが常にポケットの中で持ち運ばれる環境が出来上がってきた。これによってiOS 6に搭載されたPassbookに代表されるように、デジタルデバイスがデジタルやネットの中だけで情報や価値をやりとりするパラダイムから、我々の実生活であるリアルな空間と連携するパラダイムへの変化を可能にしている。いわゆるO2O(Online to Offline)と呼ばれるトレンドもこれに当たる。

 筆者は最近までにStarbucksのプリペイドカードとEventribeの2つのサービスでPassbookを利用している。StarbucksカードはアプリとStarbucksのウェブサイトで残高が確認でき、Passbookにも最新の金額がつねに反映されている。レジでiPhoneを読み取ってもらうと決済が終わり、アプリを見るとポイントまで貯まっている状態だ。もしプリペイドの残高が足りなくなれば、アプリからクレジットカード決済で追加することができる。

 またEventribeでは、申し込んだイベントなどのチケットの確認メールにリンクが付いており、これをクリックすればPassbookにイベントの入場券のバーコードが入る仕掛けだ。入り口で身分証を提示させられる点はあまりスマートではないかもしれないが、プリントアウトしたり、メールを検索してバーコードを探したりする手間なく、とてもシンプルと言える。

 しかもEventribeのPassbookチケットには会場の情報が入っており、会場に近づくとプッシュ通知が届くので、スワイプして表示させるだけでよい。Passbookのアプリの中からイベントのチケットを探す必要すらない点も快適であった。

 チケットが「ここです!」「これを使って!」と教えてくれる。これを裏返せば、デバイスを持って移動する人がどんな環境の中にいるのかを理解するための「地図」が重要であることが分かるだろう。Appleが地図を自社製に切り替えたのも、Appleの体験を生活空間へと拡げていくための施策と言える。

 ただ、Googleと異なり、Appleは全てを自分たちだけでやろうとしているわけではないようだ。例えばAppleの地図では米国最大のローカル情報を持つYelpの情報を呼び出しており、Foursquareとの連携も噂されている。またStarbucksやEventribe等の分かりやすい利用シーンを提供できるアプリをフィーチャーし、ユーザーに紹介することも怠らない点も、注目すべきだろう。

2013年の目玉となるのはテレビ?

 さて、来年のAppleの新製品は何だろう。

 例年通りであれば、本稿の冒頭に挙げた製品リストが2013年版として刷新されることになるだろう。米国ではクルマもマイナーチェンジ、フルモデルチェンジを含む年次更新が当たり前となっており、「2013 Prius」のような表記がなされているが、Appleも既にMacBook Pro(Retina, 2012 MID)という製品の識別をしており、これに習うカタチだ。製品名がカウントアップしているのは現状iPhoneだけと言える。

 筆者も使っているiPad miniの進化は最も分かりやすい形で行われるだろう。筆者の唯一の不満点であるディスプレイがRetina化されることを望んでいる他、これに合わせてA6もしくはA6Xチップの搭載も期待される。モバイルデバイスで興味深いのは、現在メインプロセッサ以上にディスプレイとバッテリが製品パーツのネックになっている点だ。それを考えると、Appleのスケジュールと言うよりは部品の調達具合に着目した方がよさそうだ。

 またMacBook Pro 13インチRetinaディスプレイモデルは、CPUやストレージの点で中途半端な印象を受ける。フラッシュストレージ512Gバイトの搭載とクアッドコアの搭載などに期待したいところだ。

 プロセッサなどの高速化によるマイナーチェンジはパソコン時代には有効だったが、モバイルデバイスではそこまで大きな「華」と言うわけではない。AppleはiPhone 5でA6、第4世代iPadでA6Xチップをそれぞれ採用し、高速化と省電力製の両立を果たしている。これらのチップの世代が上がることは重要だが、「それ以外の何か」への期待も高まる。

 そこで、クラウドやOS、アプリなどがより高度にデバイスと連携すること、新しいデザインや使い勝手、そして本稿のシフトの3点目で挙げたリアルとの連携の納得感とユニークなどの統一感が非常に重要になるだろう。これまでのAppleでは得意な点であるはずだし、組織改編の効果を短期・中期で期待していくこともできるのではないだろうか。

MacからiPadへ、「Apple体験のモバイルへのシフト」

 今年は3種類のiPadがリリースされるという、Appleのこれまでの1年1モデルという基本的な製品サイクルの中では異例の展開となった。2012年3月にリリースされた9.7インチRetinaディスプレイとLTEに対応する第3世代iPad、そして2012年11月にリリースされた7.8インチの小型タブレットiPad mini、そしてわずか半年あまりでアップデートされた9.8インチの第4世代iPad(iPad Retinaディスプレイモデル)の3モデルだ。

インパクトがあったのは第3世代のiPad


「新しいiPad」と名付けられた第3世代iPad

 筆者が今年、最もインパクトを持って受け止めたのは、第3世代のiPadだ。なぜなら、これまでのiMacもしくはMacBook Pro/AirといったMac製品に変わって、iPadがAppleのフラッグシップかつ標準的な体験を提供するデバイスに変わったと感じたからだ。その理由は3つある。

 まず第3世代のiPadにはiPhoneやiPod touchでおなじみの高精細なRetinaディスプレイが搭載された点だ。このディスプレイの解像度は、薄型テレビよりも、どのMacよりも高い解像度を実現していた。iPhone 4から利用している筆者はある意味、Retinaディスプレイに慣れているのだが、9.7インチという大きなサイズがRetina化されたiPadを触った瞬間、再び驚かされることになった。

 紙の印刷、いや印刷よりも美しい表示は、2012年3月の時点において、当然のことながらMacの画面表示よりも格段に美しいかった。この画面で写真やビデオ、そしてウェブや書籍といった文字を読むと、もはやMacの画面に戻りたくなくなってしまうのではないか、とすら感じていた。

iPadに合わせてリリースされたiPad対応のiPhoto

 2つ目に、Appleが第3世代iPadの発売に合わせて、iPhotoをiPad向けにリリースしたことだ。

 これで、これまでMac向けに提供されてきたPages、Numbers、KeynoteのいわゆるiWorkアプリ3種類と、iMovie、GarageBand、iPhotoのiLifeアプリ3種類の全てがiPadで利用できるようになり、ウェブへのアクセスやアプリだけでなく、Macの魅力だったカジュアルなクリエイティブについても、iPadが叶えるようになった。

LTEの体験

 3つ目はLTEの体験だ。筆者は米国カリフォルニア州に住んでいるが、第3世代iPadで体験するLTE接続は、Macから利用する自宅やカフェなどのネット回線に比べて驚くほど高速であった点だ。一時的に、iPhoneよりもMacよりもiPadが最も快適なネット回線を実現するデバイスになっていたのだ。

 米国のネット事情はシリコンバレーといえど悪い。自宅のインターネットの速度はDSLかケーブル接続で、日本のような光ファイバーに比べると低速だ。しかし筆者が契約するVerizon WirelessのLTE接続はコンスタントに30Mbpsのスピードが出る。これは自宅のネット回線の6倍のスピードになる。

 もちろんLTEのインフラも拡大中であり、またGoogleや自治体が地域ごとに1Gbpsを超えるスピードを実現する光ファイバを敷設する取り組みもあるが、これが米国のあらゆる場所で利用できるようになるには10年単位の時間が必要だろう。

 Appleは世界中にデバイスを売っているが、米国を本国として体験を設計している姿勢を崩していないと見ている。その米国内で、ディスプレイ、アプリ、ネット接続の快適さの3つで最高の体験を第3世代iPadで実現したことは、Appleの体験の中心がMacからiPadへ移ったと認識するに十分な材料と言えるだろう。

 これまでのMacの役割がiPadに移ったことで、これまでiPadがになっていたタブレットのポジションをiPad miniに譲ることができるようになった。もちろんしばらくはユーザーを食い合う状態があるかもしれないが、世代を重ねるごとに、この体験から見たラインアップの再構成が明確になってくるのではないだろうか。


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