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アップルの隠し玉 無料ソフトでライバル包囲網
22日に開催した発表会は、注目されたタブレット(多機能携帯端末)の新モデル「iPadエア」と「iPadミニ」が事前予想通りで驚きは少なかったと見ている人が多いだろう。だが、詳細に分析するとアップルの今後の戦略を見る上で興味深い内容がそこかしこに散見される。特に注目すべきなのは、前面に押し出してきたソフトの無料化だ。有償販売してきたソフトを無償提供し、メーカーとして稼ぎ頭であるハードウエア製品の魅力を高めるために利用する。この隠し玉で、米マイクロソフトや米グーグルといったライバルを蹴散らそうとしている。



iPadエアの薄さを強調するティム・クック最高経営責任者(CEO)

 最近のアップルの新製品は、ほとんどの情報が事前にインターネットなどに流出しており、発表会はその「答え合わせ」のような場となっていた。今回の発表会も基本的に事前に流出していた情報通りだ。だが、その中でところどころに予想を超えたアップルの戦略が見え隠れする興味深い内容だった。

■毎日持ち歩ける「iPadエア」

 最も「予想通り」だったのが、iPadミニでの高精細液晶(レティーナディスプレー)の採用だ。これまでiPadミニは携帯性に優れるものの、液晶の解像度がiPadと比べやや荒いという弱点があった。「iPadミニの携帯性で高精細な液晶がほしい」と思っていたユーザーは多かったはずだ。iPadミニが登場して1年、こうしたユーザーの願いがようやくかなえられた。

 そのiPadミニ以上の驚きがあったのが、iPadエアの薄型化と軽量化だ。薄くなる、軽くなるという情報は事前にあったものの、従来モデルに比べて重さで183グラム軽くなり、厚さも1.9ミリメートルも薄くなるとは予想していた範囲を超えていた。液晶の左右の縁(ベゼル)も狭い設計にすることで、本体幅も16.2ミリ小さくなった。

 実際に持ってみると、本当に軽くて驚いた。今回から名称を「iPadエア」に変更しているが、その名にふさわしい軽さを手に入れたといえるだろう。

 これまでのiPadは買った当初こそ喜んで持ち歩くものの、次第に重さを感じるようになり、しばらくすると自宅のベッドやリビングでネットや動画を見るためのデバイスとなりがちだった。



厚さが従来の9.4ミリメートルから7.5ミリメートルになったと説明するフィル・シラー上級副社長

 だが、iPadエアはモバイルにふさわしい大きさと重さに進化した。iPadに限らず10インチクラスのタブレットは自宅専用マシンになる傾向が強かった日本市場を、iPadエアがさらに活性化してくれそうだ。

 日常的な持ち歩きを支援する料金体系として、KDDIではすでにタブレット向けのデータシェアプランを投入済みだ。KDDIの田中孝司社長は「タブレットはセルラー版を使うとWi-Fi版に戻れない人が多い。それなら、入り口を下げないといけないので月額1050円に下げた」と語る。まさにこうした料金プランとともに市場が大きくなっていきそうだ。

■ドコモのiPadは?

 もうひとつの「驚き」が、iPadを販売するキャリアにNTTドコモの名前がなかった点だ。9月に発売したiPhone5sと同5cからiPhoneを取り扱うようになったドコモ。当然、今回の新型iPadで日本市場に参入するかと思いきや、アップルの資料にはドコモの名前がなかった。



iPadエアを発表するフィル・シラー上級副社長=ロイター

 ドコモに確認したところ「導入に向けて検討中としか言えない」とのこと。導入する方向のようだが、実際に発売するのが11月なのか、もしかして1年待たされるのかは不透明だ。 

 過去に、KDDIがiPhone4Sを導入したときも、その年はiPadの取り扱いを見送った経緯がある。そのため、今回のドコモが特に珍しいこととはいえない。だが、今後の動向には注目しておきたい。

 今回の発表会で最も大きな驚きだったのはアップルが盛んに「無料(フリー)」を訴求してきた点だ。

■ソフトをデバイスの魅力高める「おまけ」に

 パソコンのMac向けOS(基本ソフト)については最新版の「Mavericks(マーヴェリックス)」を発表し無料で提供。3世代前以内のOSを使っているユーザーは最新版にアップデートできる。

 オフィス文書作成ソフトの「iWork」も、MacやiPad、iPhoneといったデバイスを新規に購入した人が無料で入手できるようにした。ワープロソフトの「Pages」、表計算ソフトの「Numbers」、プレゼンテーション・ソフトの「Keynote」などが無料で利用できる。これらの文書作成ソフトは、クラウドを経由して複数の人で同時に編集できるようにもなったが、この機能の利用も無料だ。

 まるで、無料が大好きなソフトバンクを連想させる「無料」のオンパレードだ。このアップルの戦略からは、自らの強みを生かして、徹底的にライバルを蹴落とそうという狙いが見えてくる。



OSを有償で提供するマイクロソフトを皮肉るクレイゴ・フェデリギ上級副社長。

 新OSの無償アップデートとオフィス系ソフトの無償提供は、ウィンドウズとオフィスを収益源とするマイクロソフトを狙い撃ちにしたものだ。クラウド経由での文書編集は、マイクロソフトだけでなくグーグルの「ドックス」もターゲットとする。

 もちろんアップルも莫大なコストを投資して、これらのOSやソフト、クラウドサービスを開発している。だが、それらで直接にもうけようとはせず、アップル製品の魅力を高めるために無償提供するのが今回の戦略だ。製品へのユーザーの関心を引きつつ、あくまでメーカーとしてデバイスを売ってもうけてアップルの得意分野で勝負を挑もうとする方針を明確にした。

■タブレットの二刀流戦略が完成へ

 それに併せてタブレットの製品ラインアップを整備した。



iPadとiPadミニのそれぞれに上位と下位の2モデルを用意する=ロイター

 iPadエアと高精細液晶搭載のiPadミニという新製品を投入しつつ、これまで販売していたiPad2と初代のiPadミニも併売する。そして値下げをすることで、コスト的に魅力のある下位の商品ラインアップを作り上げた。

 スペックが魅力の上位モデルだけでなく、古いモデルを値下げして販売し続けることで法人や教育現場などでの導入がしやすくなる。この二刀流ともいえる基本戦略は従来通りだが、改めてiPadミニにも上位と下位の2モデルを用意した。

 タブレット市場では米グーグル「ネクサス7」、米アマゾン「キンドル」など低価格を売りにする製品も多い。初代のiPadミニだけでなく、アップルとしては異例ともいえる3世代も前のiPad2をあえて残すことで、価格面でグーグルやアマゾンとも競争力を確保していきたいのだろう。

■5cの二の舞いにはならない

 アップルは、9月に発売したiPhoneでは従来機種のiPhone5をなくし、機能強化版のiPhone5sと普及版のiPhone5cという2つのラインアップ構成をとった。だが、消費者が飛びついたのは5sのほうで、5cは出足が鈍い状態となっている。今から考えると、5cには正式発表前に「廉価版」というアップルの意向と違う情報が流れて誤ったイメージがついてしまったことが足を引っ張っているのかもしれない。

 その点、今回のiPadでは、スペックを強化する一方で、従来機種を値下げして安価に買えるようにしている。「廉価版」ではなく、従来通りのブランドイメージを踏襲しながら、幅広いユーザーに魅力を訴える製品戦略だ。

 上位モデルはスペックアップして高収益を確保しつつ、一方で新たなユーザー層を開拓できる手ごろな値付けも実現する。まさに今回の発表でiPadでは、アップルが得意とするやり方が帰ってきたといえるだろう。

 アップルが弱いとされる部分については思い切った無料戦略でライバルを攻撃する道具として活用しつつ、得意とするデバイス販売では従来機種を値下げしてシェアの拡大に努める。進化した製品戦略で、アップルのタブレット市場における牙城はしばらく揺るぎそうにない。




日経新聞














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【2013/10/24 14:49】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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