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アップルも悩む、タブレット革命に3つの「想定外」
 タブレット(多機能携帯端末)革命を先導してきた米アップルが「次の一手」に悩んでいる。同社は23日(現地時間22日)、2~3割の薄型・軽量を実現した最新のiPad Airを発表したが、暴力的なイノベーション(技術革新)を起こしたわけではない。累計1億7000万台のiPadを出荷したタブレットの雄の力をもってしても、薄く軽くを突き詰めたにとどまった。

 アップルが「iPad」を世に送り出した2010年、当時のIT産業が描いていた今後10年間の進化のシナリオを白紙に戻したともてはやされたタブレット。教育や医療、店舗などの現場に浸透し、15年には世界の年間出荷台数でパソコンを抜く見通しだ。ただスマートフォン(スマホ)に次ぐ巨大な革命と期待された割には、進化の歩みは鈍化している。

 なぜこうなったのか。その裏にはアップルも読み切れなかった3つの「想定外」がある

■ジョブズ氏は7インチは「成功しない」と言ったが……






2010年にスティーブ・ジョブズ氏は「iPad」を発表。「タブレット革命」を起こした=ロイター

 「他社が準備を進めている7型タブレットはDOAだ」。生前のスティーブ・ジョブズ氏が、10年10月の決算会見の場で強い口調でこう語ったのは有名な話だ。DOAとは英語の「Dead on arrival」の略。病院に到着したときには手遅れの患者を指す。転じて成功するわけがないと彼は断言した。液晶が9.7インチ以下では狭すぎて快適なタッチ操作には向かないとの持論を披露した。

 ところが現実は違った。大手家電量販店の店頭には5~7インチと大型液晶を積んだスマホやタブレットが数多く並ぶ。「ファブレット」という造語まで生まれ、今では市民権を得て存在感を増している。先頭に立ってファブレットを推進したのはアップルの宿敵、韓国サムスン電子だ。

 12年に5.5型の「ギャラクシーノート」を発売し、同社のスマホ人気に乗じる形で約1年で1000万台を出荷することに成功した。米グーグルも7型の「ネクサス7」を投入し、一時は国内の月間販売台数でiPadを抜くなど好評を博している。

 人気の理由は液晶が小さくても高い操作性を実現した点にある。ギャラクシーノートの場合、それを支えているのは日本の技術。ペンタブレット最大手のワコムが開発したもので、ペンを使って液晶とひんぱんに通信させることでペンの位置や筆圧などを正確かつ素早く認識できるようにした。画面が小さくても手書き文字や絵も細かく描ける。この利点を生かし、画面を上下に分割して2つのアプリ(応用ソフト)をそれぞれ表示して同時利用できるようにするなど、ファブレットならではの使い勝手にも工夫を凝らす。

 ジョブズ氏がiPadに求めたのはパソコンとスマホの間を埋める役回りだった。そのためにはウェブ閲覧や写真・動画の視聴、ゲームが快適にできる必要があるとし「10型前後の画面サイズ」「500ドルと安価な価格」「高い性能」の3つを満たすのが正解だと考えた。残念ながらジョブズ氏の思いとは裏腹に、高精度なペン技術でファブレットが生まれ、少なくない消費者がその価値を受け入れた。

 アップルは当初画面サイズが大きく違うスマホとタブレットを併用する世界が来ると予測していた。ところがファブレット人気で「電話機能を持つ大画面のスマホやファブレット1台がポケットの中にあればいい」という考え方が広まり、メーカーもスマホの大画面化を積極的に進めた。

 大画面スマホとファブレットがひとかたまりとなり、そこに潤沢な研究開発資金が流入。スマホ革命は勢いを増す。米調査会社IDCのボブ・オドネル副社長は「今後1~1年半、ファブレットが(9.7インチのような通常の)タブレットの需要を“食う”」と予言する。これが1つ目の想定外である。

 ちなみにアップルとサムスンが繰り広げる特許訴訟の中で、気になる証拠がある。「(ジョブズ氏から小型液晶のiPadを開発する)承認を得た」というアップル幹部同士のメールがそれ。事実だとすればジョブズ氏がDOA発言を覆したおかげで、死後になってファブレット対抗の7.9型の「iPad mini」が発売されたのかもしれない。

■破壊者アマゾンの登場




ジェフ・ベゾスCEO率いる米アマゾン・ドット・コムは驚異的に安い価格でタブレット市場に参入。話題をさらった
 2つ目の想定外は異なるビジネスモデルでタブレットを売り出す企業の登場だ。11年9月、電子商取引(EC)の巨人である米アマゾン・ドット・コムがタブレット市場へ参入。電子書籍端末「キンドル・ファイア」は、199ドルと格段に安い価格で話題をさらった。当時iPadは最低499ドル。半額以下という挑発的な値付けをしてきたのだ。

 今年9月に発表した3世代目となる「キンドル・ファイアHDX」では薄型軽量化に加え処理性能も向上。高精細な液晶も採用し、アップルが「レティーナ(網膜)」と呼び競合がまねできないとした技術でも追いついた。7インチに加え8.9インチ版も追加し明らかにiPad対抗を打ち出しながら、7インチで249ドルとお買い得感は残した。

 「最先端の技術を詰め込んだ魔法のようで革新的でもあるデバイスを信じられないような価格でお届けする」――。10年にiPadを世界に披露した記者会見でジョブズ氏はこう語ったが、高性能でもっと信じられない価格のタブレットが出てくるとは思わなかったに違いない。

 アマゾンが大胆な価格戦略をとれるのは、ハードをネットサービスへの導線を築くための道具ととらえているためだ。赤字覚悟で低価格タブレットをばらまいても、継続的にモノやコンテンツをECサイトで買う消費者が増えれば収益を補うことができる。

 同じ戦略をアップルはとれない。サムスンとの特許訴訟で明らかになった証拠によると、iPadの売上高粗利益率は23~32%でiPhoneの半分程度とされる。アップルの売り上げ構成は9割がハードで占められ、中でも利益率が低いiPadをさらに低価格化するのは難しい。

 アマゾンの挑戦は大いにほかの流通大手を刺激した。9月以降だけで小売業世界3位の英テスコやドイツで流通大手のメトロなどが2万円前後の激安タブレットの発売を表明。国内でも7月に、家電量販最大手のヤマダ電機が「EveryPad」を発売し、半年で20万台を販売すると宣言した。

 パソコンの時代からスマホの時代まで、アップルはハードメーカーやソフトメーカーを相手に戦っていればよかった。しかし自ら起こしたタブレット革命によって異業種の強敵を奮い立たせてしまった。同じ土俵で、それも機能や性能でなく価格で勝負しなければならない世界が到来したのだ。

■端末の性能競争を陳腐化したクラウド




トヨタ自動車が、クラウド専業の米セールスフォース・ドットコムと提携するなど、クラウドの進化は産業界にさまざまな影響を与えた。実はタブレットの普及のシナリオにも大きなインパクトを与えた=共同

 火に油を注いだのがクラウドコンピューティングの登場である。高速データ通信「LTE」や無線LAN(構内情報通信網)などの普及で、タブレットなどはクラウド上にあるコンピューター資源を積極的に借りやすくなった。大容量データを預け、計算の一部も手軽に肩代わりしてもらえる。

 結果、タブレットの頭脳となる半導体CPU(中央演算処理装置)は必ずしも“リッチ”である必要が薄れた。パソコンの時代のように計算をつかさどる中枢回路コアをいくつ積むかなど性能競争を続けても、競合に比べて優位だと消費者にアピールしにくくなってしまったのである。

 最近スクウェア・エニックスが最新ゲーム「ドラゴンクエスト10」をNTTドコモ向けに移植すると発表して話題を呼んだ。これこそクラウドの力で実現したサービスで、画面の描画に必要な演算をクラウド側に頼る仕組みを採り入れている。3次元(3D)の世界をキャラクターがスムーズに歩き回るなどゲーム専用機でしか扱えなかった重い処理を、性能が高くないタブレットでも軽々とこなせるようにできたのである。

 クラウドという3番目の想定外は、端末の低価格化を加速させることにもつながる。クラウド事業は規模の経済が働きやすいビジネスであり、データセンターの運営会社はこぞって設備増強に走り続けている。アマゾンは自社でデータセンターを運営し一部のサーバーを企業に貸し出しているが、13年だけで7回も値下げした。

 クラウド上の計算能力は日々高性能になり、タブレットは安価な製品が幅を利かすようになる。

 アップルにとってはシナリオが大きく狂ったタブレット革命。本来はスマホ以上に付加価値のある製品だったはずだが、現実には急速に「コモディティー」(汎用品)化が進む。

 スマホを手掛けてきた中国の中小EMS/ODM(電子機器の受託製造サービス/相手先ブランドによる設計・生産)メーカーがタブレット生産に参入し、流れはさらに加速しそうだ。ホワイトボックスと呼ぶ低価格な無名ブランドの製品を作り、流通大手などに売り込んでいる。米市場調査会社アイサプリの調べでは、タブレット用に液晶部品を調達した企業のうちホワイトボックスを手掛ける中小メーカーが占める割合はこの1年で倍増している。

■タブレット革命は終わるのか




アップルはタブレットの本命として「iPad Air」を打ち出すが、低価格版や小型版も併売。革命を継続させる次の一手を決めかねている=共同

 3つの想定外にアップルが苦慮している様子は今回の新製品発表で垣間見ることができる。ジョブズ氏が理想型として掲げた「10型前後の画面サイズ」「500ドルと安価な価格」「高い性能」の3つを極めたiPad Airを本命と位置づけて前面に打ち出す一方、3世代も前のiPad2をAirより100ドル安くして継続販売する。

 ファブレットの対抗馬にあたり、同社としては珍しく後追いの形で追加したiPad miniも同じだ。見劣りしないように性能を向上させつつ、旧モデルを残して価格を30ドル下げ値ごろ感を演出することに余念がない。

 タブレット革命は終焉(しゅうえん)に向かうのか。そこで注目されるのは、次世代端末の開発・普及のシナリオである。

 まずはウエアラブル端末。利用者が身につけて使う端末はアイデアとしては何年も前からあったが、クラウドの進化などのおかげで開発に乗り出しやすくなった。とはいえグーグルのメガネ型「グーグル・グラス」にせよサムスン電子の腕時計型「ギャラクシーギア」にせよ、コンセプトの域を出ない製品が多い。人類が一人一台ずつ持つような革命がすぐ起こるとは考えにくい。

 アップルを巡っての噂は絶えない。「次世代の大型テレビiTVを開発しているようだ」「見たこともない斬新な時計型のiWatchがもうすぐ出る」「いいや本命は自動運転の車iCarだ」――。もう一度世界を驚かすイノベーションを期待する声は各所から上がるものの、かつてジョブズ氏が好んで使った「再発明」というよりは、「既存の製品の延長線上にある改善」に近いのかも知れない。

 それまで存在しなかったまったく新しい製品が人々の日常生活に組み込まれ、これから人生が豊かになる可能性にワクワクする高揚感を再び得ることができるのだろうか。タブレットの目先の出荷は好調ながら、「革命」の行く先は視界不明瞭と言わざるを得ない。次のイノベーションを体現するのはアップル、アマゾン、サムスン、それとも他の新興勢力か。次のIT産業をけん引する技術・企業を占ううえでも、ポスト・タブレット、ポスト・スマホの登場に視線が集まる。


(日経新聞 電子報道部)





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