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ポスティングはいらない? 大リーグ、強気の背景
 相手が一枚も二枚も上手――。今回の日米のポスティングシステム(入札制度)交渉を米国側から見ていて、日本の不利は明らかだった。

 新制度のポイントは、米大リーグ球団が、日本の球団に支払う入札金を引き下げることにあり、それを最高額と2番目の平均とする案を持ち出した。

■米側、一方的に新制度案の撤回通告

 ポスティング制度は、日本人選手が大リーグに移籍する際、場合によって日本の球団が巨額の入札金を手にできる点においてメリットがあったわけだが、大リーグ側はそれすらを否定し、自分たちの負担額をじわじわと引き下げようと図る。

 それならばと、日本側は複数チームと交渉できるよう提案したが一蹴され、大リーグ案の受け入れを渋々決めた。しかし今度は、「対応が遅すぎる。その間に状況が変わった」として、合意目前の案の撤回・修正を一方的に通告された。

 これはもう交渉というより、日本がいかなる決定にも従うことを前提としてことが進められているように映る。

■切り札の「田中カード」も全く効かず

 日本には、切り札の田中将大(楽天)というカードがあった。「田中が欲しいんでしょ? 日本人選手が必要なんでしょ? だったら、こっちの言うことも聞いてください」

 残念ながらそれが、全く効いていない。大リーグ機構のロブ・マンフレッド最高執行責任者は、はっきりと言った。「日本人選手をフリーエージェント(FA)になるまで獲得できないのだとしたら、そうするまでだ。我々の全30球団は、その覚悟がある」

 これは、はったりでも脅しでもない。

 現場レベルでは、「日本人の投手は、小さな頃から多くの球数を投げる。日本でFAになれる9年も待ったら、彼らの故障が心配だ」との声もあるが、田中レベルの選手が移籍してくるのは、年に1人いるかどうか。自分のチームが獲得できなくても、他チームにも移籍しなければ構わない、ぐらいの割り切りがある。

 日本はポスティング制度の落としどころを探っているのに対し、メジャー側はこの案を受け入れろ。そうでなければこの制度を廃止してもいい、という姿勢で交渉に臨んでいるのだから、そのギャップが激しい。


GM会議で記者会見する米大リーグのセリグ・コミッショナー=AP

 むしろ、メジャー側の狙いは、制度の存続より廃止か。

■「入札金は負担。制度なくてもいい」

 先週、米フロリダ州オーランドで開かれたゼネラルマネジャー(GM)・オーナー会議を取材した。多くのチーム関係者にポスティング制度のあり方、どう変わるべきかを聞いても、「複数のチームが交渉できるようになるといい」と何らかの改革案を口にしたのは、レンジャーズのサド・レバイン・アシスタントGMただ一人。あとは申し合わせたように、「交渉は大リーグ機構に任せているので、差し控えたい」とコメントを避けた。

 もっともらしく聞こえるが、 改革も何も、廃止が望みなのだから、多くに囲まれて本音を言えるはずもない。

 あるGMは「名前を出さないでくれ」と断った上で、こう言っている。「もう、なくなっても構わない。巨額のポスティングフィーは、大きな負担だから」

 日本側が、ポスティング制度を利用して移籍する選手がメジャーの複数球団と交渉できるよう提案したことについては、複数のオーナーが「Nonstarter(見込みなし)」と話したそうだ。

■ 狙いは海外FA権取得年数短縮か

 日本側にしてみれば「メジャー側が、一切譲歩してくれない」ということになるが、メジャー側にしてみれば「ポスティングの制度そのものが、我々にとって大幅な譲歩だ」ということのようである。

 では、ポスティングを廃止したら、どうなるのか。

 それはそれで、メジャー側も困る。日本という市場も考えれば、選手獲得は単に戦力という意味だけではなく、ビジネス的にもうまみがある。そんな利権を手放すはずがないが、彼らは彼らでもっと先を見ている。

 おそらく真の狙いは、現在は9年と定められている日本選手の海外FA権取得年数の短縮。もちろん、彼らが介入して日本の制度を変えるのは無理があるが、ポスティング制度がなくなった場合、日本はどうなるか、ということだ。


■どうなるアマ選手の米国流出抑止力

 選手会は当然、FA取得年数の短縮を要求するだろう。実際、せめて7年にしてくれ、との声はすでに出ている。日本の各球団にしてみれば、それは受け入れられないが、その場合、将来のメジャー入りを夢見るドラフト前の選手らがどう考えるのか、ということになる。

 2006年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場したある選手が米国に来たとき、こんな話をしていた。「早くこっちに来たいですよ。9年は長い。その頃にはもう、力が衰えてしまうかもしれない」

 もちろん、ケース・バイ・ケース。黒田博樹や上原浩治のように30代後半で、メジャーで活躍できる選手もいる。ただ、彼らはむしろ例外。ドラフト1位候補の選手らが長く拘束されることを嫌えば、向かう先は直接、海の向こう側か。

 これまでポスティング制度というのはある意味、若いアマチュア選手の米国流出を防ぐ抑止力になっていた。そのたがが外れかねない。おそらくメジャー側は、そこまで流れを想定し、撤廃をにおわせている。

 日本側もそれを理解しているからこそ、屈辱的な条件をいったんはのんだわけだが、今はそれさえも、撤回されかねない状況にある。

■修正案、日本がさらに不利な条件に

 メジャーの一部チームから、「これではお金のないチームは落札できないから、制度を修正しろ」との声が出たそうだ。つまりは日本の球団に、米側の支払額をもっと下げろ、と言っているのだ。出てくる修正案は、さらに日本にとって不利な条件となるだろう。

 案の一つは、入札額に上限を設けることか。仮に複数チームが上限で入札した場合、前年度の勝率が一番低いチームに交渉権を与える、というウエーバートレードのような仕組みが考えられる。

 日本側にしてみれば上限の設定は避けたいところだが、彼らは修正案協議でも蚊帳の外に置かれている。



日経新聞












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【2013/11/19 06:35】 | SPORTOURS | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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