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身売りって「クール」 連続起業家、米国経済に活力
 何度でも起業する「シリアルアントレプレナー」(連続起業家)と呼ばれる人の活躍が、米国で目立っている。技術革新に次々と挑戦し、米国経済に活力をもたらしている。創業した会社がグーグルなど大きな企業に「買われる」ことがクール(かっこいい)と評価される文化も、起業家の奮起につながっている。



 アップルやグーグルの本社が集まる米西海岸シリコンバレー。静かな住宅街の倉庫が、ビカシュ・グプタ氏(39)の新しいオフィスだ。子ども向けの教育ロボットを製造・販売する新興企業プレーアイは、グプタ氏が自ら創業した二つ目の会社となる。

 21歳でインドから移り住んだ。米国の技術系大学で学び、1999年にネット通販大手アマゾンに入社。決済関連システムをつくる部署で働いた。

 転機は2006年。アマゾンをやめ、腕を磨いた決済関連システムの会社を起業した。技術の良さがグーグルの目にとまり「買収したい」と提案された。10年に約7千万ドル(約71億円)で売却し、そのままグーグル社員となった。

 がむしゃらに働く毎日が続いた。「一度、家族とゆっくり過ごしたい」と思い、昨年、3年間働いたグーグルを退社した。

 娘と遊んでいると、「仕事から離れているのにアイデアが次々と浮かんだ」。半年の充電期間を終え、2回目の起業を決意した。一つ目の会社を売ったお金があり、生活には困らなかったが、事業への意欲がわき出た。「『こんな製品があれば、人びとの生活がもっと便利になる』と、考えると楽しくなった」

 起業の苦しさも1回目の挑戦で、肌身で味わった。「従業員に給料をちゃんと払えるか、オフィス家具をどう安く調達するか、といった問題を一つひとつ解決することを迫られる」とグプタ氏。事業資金の調達や事業計画などの「本筋」は、さらにその先にある。

 それでも、「起業にこだわりたい」と語る。「アマゾンやグーグルでは、会社が巨大化するにつれ、私の役割は逆に小さくなった気がした。創業してすべてに責任を持つ。これこそ起業の魅力ですね」。プレーアイのロボット第1弾は、この秋にも米国や日本に出荷される。

 サンフランシスコ市内のライアン・アリス氏(29)は現在、自ら創業した三つ目の会社を経営する。二つ目のソフトウエア関連会社は03年、大学在学中に設立。従業員250人の会社に育てた。買収が持ちかけられ、12年に1億7千万ドル(約175億円)で売却した。売却後、50人超の従業員が削減された。

 最近は、新興企業に対し投資をするベンチャーキャピタル(VC)も経営し、「二足のわらじ」をはく。起業の経験が豊富なので、どんな起業家や事業が成功するか見極める自信がある。「起業では失敗も大事な糧になる。トライして失敗した経験がある人には、積極的に投資したい」

 VCには、企業の売却で稼いだお金も事業費として投じた。成功した起業家が挑戦者らを資金面で支える。そんなサイクルも生まれている。

 「大金が得られてうれしかったが、それがすべてと思わなかった」。12年に創業した会社を、米ヤフーに約1千万ドル(約10億円)で売却したニューヨーク市の20歳代の男性は、匿名を条件に取材に応じてくれた。

 金融危機が深まった09年に大手金融機関を退社し、ネット関連会社をつくった。金融機関では自分が歯車のように思えて、「自ら価値を生み出したい」と起業を決意した。当初は、収入もない不安定な身分に不安な毎日を過ごした。現在はヤフー社内にいるが、「自分の会社の価値が認められたという達成感は、格別だった。機会を見つけ、また起業したい」と語る。

■大企業が積極的に買収

 米国で起業が盛んなのは「大企業が、優秀な人材や技術を保有する新興企業を積極的に買収する」ことが理由の一つに挙げられる。起業家は「良い会社をつくれば、巨額で買収してもらえる」と期待を抱ける。

 特にグーグルは、キラリと光る若い企業を発掘し、果敢に投資する。米調査会社によると、11年から14年6月までの買収・出資は195件にのぼる。アップルは26件、ヤフーも50件。かつてのベンチャー企業が「買う側」に回る構図だ。

 シリコンバレーでは毎年4千社の企業が誕生するといわれる。「リスクマネー」の好循環を、VCも支える。米シャスタ・ベンチャーズ社は家電の制御装置を手がけるネスト・ラボ社に投資。すると今年1月、グーグルが32億ドル(約3300億円)で買収し、投資資金の何倍も回収した。シャスタのロブ・コニービア氏は「これでまた、次の有望企業に資金を回せる」。

 一方、日本ではVCが資金を回収する道筋は、新興企業の新規上場に大きく偏重している。新規上場を待つと、投資のスピードが遅くなりがちだ。

 米国では、企業の「新陳代謝」も活発だ。開業率・廃業率(10年)はそれぞれ9・3%と10・3%。日本では4・5%と4・1%と半分程度。次から次へと会社が生まれている。

 米クレムゾン大学のウェイン・スチュアート准教授は「米国では起業する人の、3分の1以上が何度も挑む起業家だ。失敗の中から新しいトライが生まれているようだ」と指摘する。

 企業の「身売り」に対する日米のイメージも大きく異なる。日本では、事業に失敗し、やむを得ず資金余力のあるライバルに買ってもらう、といった印象が根強い。米国の場合、子会社や事業部門の価値がピークに達したときこそ、「売り時」という発想が根づく。

 たとえば、米新興IT企業のタンブラー。起業家デビッド・カープ氏が07年に創業し、5年ほどで利用者は3億人を超えた。ネット上の写真や文章を自由に切り貼りし、簡単にブログがつくれるサービスを提供する。急成長の真っただ中、昨年5月に米ヤフーに11億ドル(約1120億円)で売却すると発表した。

 すでに6社を立ち上げた西海岸在住の連続起業家、サウル・グリフィス氏は「米国では『買われる』ことは最高にクール(かっこいい)だ」と言う。「自社を売却できた起業家に会えば、『本当におめでとう』と、固い握手をするのが通例。日本でも、自分がつくった会社が売れることに誇りを持てれば、起業が盛んになって、経済が活性化するのでは」と指摘する。

 ただ、短期間での企業・事業の売買は、そこで働く従業員が雇用環境に不安を持つことにもつながる。日本でも「米国流」が浸透するかは不透明だ。(シリコンバレー=畑中徹)

     ◇

 〈シリアルアントレプレナー〉連続起業家。起業した事業が軌道に乗ると売却するなどして経営から退き、また新たな会社を始める人をさす。事業が失敗しても、それを教訓に次の事業に取り組むことが多い。シリアルは「連続的な」の意。


朝日新聞

















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【2014/06/25 08:26】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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