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雇用保険料4年ぶり下げ 16年度、年収の0.8%軸に 失業率低下で厚労省検討
厚生労働省は雇用保険料を2016年度に4年ぶりに引き下げる検討に入った。失業給付に充てる保険料を0.2ポイント引き下げ、年収の0.8%とする方向で調整する。失業率の低下で15年3月末の積立金は過去最高の6兆円に上る見込みで、一部を還元する。労使の負担は年間約3200億円軽くなる。個人消費や企業業績の後押しにもなりそうだ。



 厚労相の諮問機関である労働政策審議会の雇用保険部会で今秋をめどに提案する方針だ。今の雇用保険法では失業給付分の保険料率の下限を1%と定めている。来年の通常国会で下限を引き下げる改正案を提出し、16年度の実施を目指す。

 失業手当の財源になる雇用保険は労使で折半する保険料と国庫負担が財源。現在の保険料率は年収の1%で、会社員は0.5%分を給料から天引きされている。雇用保険料には雇用安定や能力開発を目的とする政策を実施する雇用保険2事業に充てる部分(0.35%)もあるが、これは事業主だけが拠出している。

 労使が負担する保険料率が0.8%まで下がると、リーマン・ショックを受けた景気対策として緊急に引き下げた09年度以来となる。水準は過去最低だ。年収500万円の会社員が納める保険料は年5000円減る。企業は全体で約1600億円の負担減になる。

 企業業績の回復などで人手不足が強まり、今年5月の完全失業率は3.3%と18年ぶりの低水準になった。有効求人倍率も同月に1.19倍と23年2カ月ぶりの高水準だ。

 雇用保険の積立金は13年度末時点で6兆621億円。14年度は6兆円を割り込む予算を立てていたが、実際には6兆円台を維持し、過去最高になったもよう。厚労省は保険料率を引き下げても問題ないと判断した。

 経済界も過去最高水準の積立金を背景に保険料率の引き下げを要望してきたが、一段の引き下げを求める可能性もある。0.2ポイントの引き下げ効果は積立金残高の5%程度にとどまるためだ。

 一方、厚労省は雇用が悪化して失業給付が急増した場合には料率を上げるのは簡単ではないので、大幅な引き下げには慎重な立場。省内には16年度の引き下げ幅を0.1ポイントにとどめるべきとの意見もある。労働組合にも「積立金は失業手当の給付拡充にあてるべきだ」との主張があり、調整は難航する可能性もある。

 雇用保険の財源の一部になっている国庫負担の見直しも浮上する可能性がある。過去に料率を引き下げたときは国庫負担割合も同時に引き下げたことが多い。現状を維持したい厚労省と国庫負担の軽減を求める財務省で綱引きになりそうだ。

 雇用保険2事業の積立金は7000億円を超えているが、企業が負担する保険料は据え置く方向だ。成長分野への人材移動を後押しするなど雇用の構造問題に取り組むため、各種助成金の拡充を検討する。


日経新聞









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