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全米オープン、タフすぎて…歯が立たなかった日本勢
男子ゴルフの第115回全米オープン選手権は、21歳のジョーダン・スピース(米国)が4月のマスターズ・トーナメントに続いてメジャー2連勝を果たして閉幕した。5人が出場した日本勢は、松山英樹のみが決勝ラウンドに進出(18位)。米ツアーを主戦場にする石川遼に加え、藤田寛之、川村昌弘、薗田峻輔はタフなコースに歯が立たなかった。日本選手に限ってみれば、優勝争いに絡まずとも松山が「健闘した」と見えてしまうほど、他の選手の線の細さが印象づけられる結果となった。


日本勢でただ一人、全米オープンの決勝ラウンドに進出した松山=共同

■連日大きく変えられたコース全長

 今大会の開催コース、チェンバーズベイGC(パー70)は2つの点で際立った特徴があった。ひとつはフェアウエーからグリーン、ラフまですべてがフェスキュー芝で覆われていたこと。日本ではなじみのない芝だが、実は米ツアーでも珍しく、長い歴史を持つ全米オープンでも初めてのことだった。

 もうひとつは、距離が連日大きく変えられたこと。コース全長は初日が7497ヤード、2日目は7695ヤード、3日目は7637ヤード、最終日は7384ヤードだった。最も長い2日目と最も短い最終日では、311ヤードも違った。

 18ホール中、10ホールで複数のティーグラウンドを備えるチェンバーズベイGCならではのセッティングに、松山は「18ホールじゃなくて36ホールプレーしている感じ」と率直な感想を述べた。薗田、藤田、石川も「頭を使うコース」と口をそろえた。しかも、ティーグラウンドが、あえて平らにつくられていなかった。「左足下がりだったり、前下がりだったり。左足下がりだと、ボールが上げづらい」と石川は苦笑いだった。

 グリーンにもひと癖あった。「雑草みたいなのがあって、最初の1~2メートルはボールがはねやすい」と石川。最終日の18番、1打差でスピースを追うダスティン・ジョンソン(米国)が、入れればプレーオフに持ち込めるという短いバーディーパットを外したのを見ても、いかにこのグリーンが難儀だったかがわかる。

■ベテラン藤田も「経験値が足りず」

 予選通過ラインに1打足りない通算6オーバーに終わった藤田は、5度目の出場だった今大会をはじめ何度もメジャーに出た経験を持つにもかかわらず、敗因を「経験値が足りなかった」と分析した。フェスキュー芝はもとより、フェアウエーの両側を巨大なバンカーが覆うような難コースに、半ば面食らわされた格好。そして、つぶやいたベテランの言葉が興味深い。

 「地面は硬いし、芝は違うし、(フェアウエーやグリーンの)アンジュレーションもきつい。こんなコースは日本にはない。誰か造ってもらえませんでしょうか」と笑ったうえで、こう続けた。「でも、もしこんなコースを造っても、お客さんは来ないでしょう。日本はそういう(ゴルフの)文化ですから」


通過ラインに1打足りず予選落ちの藤田は「経験値が足りなかった」=共同

 雑草ひとつなく整備し尽くされたグリーン、真っ平らのティーグラウンドから気持ちよく打てるコース。それが日本ツアーのスタンダードだ。しかし、世界標準は別の次元をいく。わけても「世界一難しいセッティング」を自負する全米オープンである。今大会の舞台となったチェンバーズベイGCは、難しさの度合いにおいて日本のコース設定とはかけ離れていた。

■前を向く石川「出場に意味がある」

 それを大会前、「頭を使うから楽しい。大会じゃなくて、個人的にコースを回ってみたい」と話していたのは川村。欧州やアジアのツアーで積極的に戦い、岡山県で行われた日本地区最終予選を2位通過した、伸び盛りの21歳(全米オープン時点)だ。芝質の違いや気候、食事など、日本と異なる環境への対応力はそこそこ備えているはずだったが、2日目に2バーディー、9ボギーの77と崩れ、決勝ラウンドへの進出はならず。「最後はコースの難しさにやられた感じだった」と実力不足を正直に認めた。

 石川はスイングに悩み、力を発揮できずじまい。日本からの出場選手枠が急きょ増え、大会間近になって出場権を手にした薗田も、初日の78が響いて予選突破ラインから大きく沈んだ。


「予選落ちしても、大会に出たのか出なかったのかでは全然違う」という石川=共同

 米国で行われた予選会で今大会の出場権を勝ち取った石川は、予選落ちの悔しさをにじませつつも前を向いた。「(米国での)最終予選会を通って出場したことに意味があると思う。予選落ちしても、大会に出たのか出なかったのかでは全然違う。こういうセッティングを毎年、コンスタントに経験することは、プロゴルファーにとってすごいモチベーションになる」

 今季、米ツアーで苦戦が続く石川だが、これほどの思いを、日本の中にとどまって戦っている選手がどれほど切実に感じているだろうか。

■世界トップ、屈指の難しさでも結果

 藤田の言葉が印象的だった。「スピースら同世代の選手に刺激を受けて、世界レベルというものを日本の若い選手には感じてほしい。挑戦もせずに自分はダメだ、という人がいるけれど、やってみて砕けた経験の方がずっと大事。日本ツアーに外国勢が招待選手で来て、『バケモノみたいにすごい』と言って終わり、では意味がない」

 確かに屈指の難コースだった。だが、そんな中でも世界トップクラスの選手は結果を残した。最終日に松山と同組だったアダム・スコット(オーストラリア)はボギーなしの6バーディーをマーク、通算3アンダーで4位に食い込んだ。世界ランキング1位のロリー・マキロイ(英国)も最終日に6バーディー(2ボギー)を奪い、一時は上位争いに加わってギャラリーを沸かせた。


スコット(左)は最終日にボギーなしの6バーディーとスコアを大きく伸ばした=USA TODAY

 最終日が4日間で最も距離の短いセッティングになったのは、バーディーの奪い合いによるスリリングな展開を期待した米国ゴルフ協会の思惑だったかもしれないが、世界レベルの選手はそこでしっかりと結果を出してみせるのだ。

 決勝ラウンドに残った松山は、「見せ場」が用意されたような最終日もパープレーに終わり、通算3オーバー。4日間を通じて一度もアンダーパーを出せなかった。長短のパットを要所で決めたスコットの姿を目の前で見て、感じるものがあったはずだ。そこで生じた悔しさが、さらに成長するうえで大事な宝になるだろう。

■日本選手、積極的に海外へ出るべし

 今大会で浮かび上がったのは、日本プロゴルフ界の層の薄さだ。多くの日本選手が積極的に海外のツアーに出て、「やってみて砕けた経験」でしか得られないものを何度も実感し、それを克服したときにメジャーでの優勝争いに加われる選手が生まれるのではないか。

 練習ラウンドでは、日本のメディアから日本選手に向けて「慣れない芝の感想は?」「グリーンはきれいとはいえないが、どう思う?」といった質問が相次いだ。それに対し、藤田は「確かにグリーンはきれいじゃないが、こういうのが世界のスタンダードですから」ときっぱり言った。

 自戒を込めつつ思う。伝える側からして、日本のコースが普通といった緩い前提に立つ「ガラパゴス」状態であり続けていては、藤田のいう「日本のゴルフ文化」は今後も容易には変わらないのかもしれない。

日経新聞










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【2015/06/28 05:23】 | Lets’ゴルフ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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