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岩隈破談の原因? メジャーの身体検査とは
3年総額4500万ドル(約54億円)の好条件でドジャース入りが決まりかけていた岩隈久志投手(34)が、結局古巣のマリナーズに残留することになりました。正式契約前の身体検査によって“破談”になったともいわれています。実際どんな検査が行われているのでしょう。


今年FAになった投手の中で岩隈は上位にランクされていた=ゲッティ共同

 楽天からメジャーに移籍した2012年以来、4年間で47勝を挙げた岩隈投手は今年フリーエージェント(FA)となった投手のなかでも上位にランクされていました。

 ブルージェイズからFAとなり、レッドソックスと7年総額2億1700万ドル(約260億円)で契約したデービッド・プライス投手(30)、ドジャースからFAとなり、ダイヤモンドバックスと6年総額2億650万ドルで契約したザック・グリンキー投手(32)らに次ぐ評価を受けていました。

 8月のオリオールズ戦で日本人選手では野茂英雄さん以来のノーヒットノーランも達成していました。ドジャースが提示したとされる条件が、まさに岩隈投手の“値打ち”を示していたわけです。

■契約直前で白紙、投手は珍しくなく

 しかし、メジャーでの契約は金銭面の条件が整ったからといって即締結となるわけではありません。メディカルチェック=身体検査を受け「問題なし」となった場合に正式契約となるのです。

 岩隈投手の「ドジャース移籍決定」の報道も、よくみると「大筋で合意」といった言葉が使われていました。身体検査などの結果次第ではひっくり返る可能性もありますよ、ということだったわけです。


ドジャースのロバーツ監督は、大筋で契約合意に達した岩隈に期待していたが…=共同

 読者のみなさんのなかには「えー、決まりじゃなかったの?」と驚かれた方も少なくないと思いますが、岩隈投手のように契約直前で白紙に戻るケースは投手では珍しいことではありません。肩、肘を酷使していますから、どこにも問題がないという投手の方が珍しいでしょう。

 野手ではあまりないのですが、レッドソックスで上原浩治投手らとともにプレーしていたマイク・ナポリ選手が、移籍時に股関節に懸念があるとされて、3年契約が1年になったということがありました。

 岩隈投手は楽天時代に右肘の手術を受けています。また今季は背筋痛で故障者リストにも入りました。破談の原因が身体検査の結果とは言い切れないようですが、大型契約を結ぶに当たってドジャース側が岩隈投手の体の状態に関し、より慎重になった可能性はあります。

 その身体検査ですが、私も07年オフ、カージナルスからフィリーズへの移籍に際して、受けたことがあります。

 代理人に「あらかじめ、どこの球団でも行けるようにしておこう」と勧められ、私は各球団との交渉に入る前にメディカルチェックを受けました。

■肩ぐるぐる、肘・膝を動かし「OK」

 担当医師はその道の権威、ルイス・ヨーカムさんでした。肘の靱帯修復手術「トミー・ジョン手術」では考案者のフランク・ジョーブ博士をしのぐ腕前ともいわれ、松坂大輔投手や和田毅投手(ともにソフトバンク)らの手術を手掛けたことでも知られています。

 この大御所に診てもらい、体のどこにも問題ないというお墨付きを得ておけば、あとはどの球団でも条件面さえ折り合えば、すんなり移籍できる、という算段でした。

 ヨーカムさんの診察を受けるため、日本からはるばるロサンゼルスを訪ねました。先生はまず「肩を回してみなさい」と言いました。ぐるぐる回します。それでOK。続いて肘、膝を動かしてOKです。

 先生が私の腕を押さえて、十分な力が入るかどうか、リハビリの過程で行うような負荷テストもありましたけれど、検査はこれだけです。

 大先生の診察ということで、ちょっとどきどきしていたのですが、あっという間でした。このためにわざわざロサンゼルスまで来たのか、と拍子抜けしましたが、やはり先生のお墨付きの信用性は絶大でした。

 もちろん、岩隈投手が受けたチェックはもっと細かいものだったはずです。ただ、同じ診断結果に対して、ドジャースは否定的な見方をし、マリナーズはおそらく問題なしとして契約に至ったわけですから、もし身体検査でひっかかったのだとしても、深刻なものではなく、データをみる側の微妙な解釈の問題だったのではないでしょうか。


マリナーズと再契約し、記者会見で抱負を語る岩隈=共同

■ビッグマネーだけがやりがいではなく

 ドジャース移籍が目前で消えてしまったことは岩隈投手にとってアンラッキーでした。マイナーからメジャーに昇格した選手、あるいは日本からメジャーに移籍した選手には、最初のクラブで実績を作り、FAとなったところで、大型契約を用意できるビッグクラブへ、という“出世”のパターンがあります(田中将大投手のように最初からヤンキース=ビッグクラブというケースは別ですが)。34歳と脂が乗りきった岩隈投手はまさに「売り時」でした。

 結局、古巣のマリナーズと1年契約を結び、残留することになりました。条件は定かではありませんが、保証された契約は、ドジャースの提示には及ばないのは確かでしょう。ただし、オプションを含めればそれほど大きくは変わらないはずです。

 結果的にそれがどう出るかは本人を含め、誰にもわからないことです。岩隈投手の残留を願っていたマリナーズの球団関係者やファンの皆さんにとっては朗報だったはずです。岩隈投手も球団への愛着はあったでしょうし、慣れたマウンド、慣れたアメリカンリーグで投げるのも悪くありません。

 選手にとっての「やりがい」とは何でしょう。

 私はオリックスからメジャーに移籍するに当たって、ファンの熱さを重視しました。カージナルスが本拠地を置くセントルイスは「ベースボール・ヘブン」と呼ばれています。

 ファンの方々がとてもよく野球を知っていて、選手に温かいのです。その声援を受けて、選手がどんどん立派に育っていくという定評がありました。メジャーの選手のほとんどが「引退までに一度はプレーしてみたい」と口をそろえるのがカージナルスなのです。

 セントルイスでプレーした日々は文字通り、ヘブン=天国にいるようにすばらしいものでした。

 ビッグマネーが飛び交うメジャーですが、選手は決して金銭面の条件だけで球団を決めているわけではありませんし、それだけでやりがいが決まってくるわけでもありません。岩隈投手もそれは同じことだと思います。

日経新聞 野球評論家 田口壮

 








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