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10兆円の市場拡大 スポーツで稼ぐ国目指して
2020年に向けてスポーツの産業化を目指す取り組みが加速してきた。一言で言えばスポーツで稼ぐ国に変わろうということで、旗振り役は昨年発足したスポーツ庁だ。経済産業省と協力して有識者会議「スポーツ未来開拓会議」(座長・間野義之早大スポーツ科学学術院教授)を設置。12年の時点で5.5兆円とされたスポーツ産業の国内市場規模を20年までにほぼ倍増の10兆円、25年までに15兆円に拡大する目標をまとめた。6月に政府が閣議決定した、名目国内総生産(GDP)100兆円の上乗せを目指す成長戦略(日本再興戦略)にも盛り込まれた。

■国内スポーツ市場、5.5兆円と定義


サッカーの02年W杯試合会場となった10カ所のスタジアムのうち、黒字運営は札幌ドームだけ=共同

 スポーツ産業の市場規模とは、ゴルフ場やテニスコート、フィットネスクラブなどのスポーツ施設、ウエアや用具のスポーツ用品、プロ野球やJリーグ、大相撲などスポーツイベント・興行、スポーツツーリズム、スポーツメディア、さらに競馬や競輪などの公営競技などの売り上げの総額となるという。ただ、その定義は明確でなく、全体像もつかみにくい。

 有識者会議の議論の対象となった5.5兆円という数字は、日本政策投資銀行と早大スポーツビジネス研究所が試算した国内スポーツ総生産(GDSP)がベースになっている。それによると12年のGDSPの試算総額は11.4兆円。そこから競馬や競輪などの公営競技(4.3兆円)と学校教育の体育関連費用(1.6兆円)を除いた5.5兆円を国内スポーツ市場とした。

 実はこの数字はその10年前の02年の試算からは1.5兆円程度も減少している。マラソンやジョギングがブームとなり、健康志向が高まっている半面、お金のかかる道具や施設など利用しないスポーツの愛好家が増えていることなどが原因のようだ。イベント興行だけは売り上げを1200億円から2800億円と大幅に伸ばしているが、全体に占める割合は小さい。

 この縮小している市場を一気に超V字回復に持っていこうというのだから、ずいぶんと背伸びをして大風呂敷を広げた印象がある。ただ、スポーツが教育の枠組みに組み込まれ、スポーツで金を稼ぐことに否定的なイメージがついて回るこの国で、行政がこうした方向性を示すのは画期的な変化だと思う。

 スポーツ庁はそのために必要な取り組みも示している。注目したいのは、スタジアムやアリーナの収益力強化と、これまでほとんど議論されていなかった大学スポーツの産業化を打ち出している点だ。

■コストセンターからプロフィットセンターへ

 日本各地のスタジアムやアリーナはこれまでほぼすべてが経費はかかるが利益は生まないコストセンターだった。国体開催などのために自治体が建設。民間なら施設整備は投資となるが、公共施設には費用を回収する発想などはなからない。市街地から遠く離れた立地のため集客には不適。営利目的ではない公共的イベントに安く貸し出すことも求められ、ランニングコストの捻出さえ難しい。サッカーの02年ワールドカップ(W杯)の試合会場となった10カ所のスタジアムですら事情は同じで、プロ野球とJリーグのチームがそろって本拠地とする札幌ドーム以外は赤字運営が続いている。昨年大騒動となった新国立競技場の問題は、こうした日本のスポーツ施設の体質を象徴している

 今秋、男子バスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」が開幕する。分裂していたプロのbjリーグと企業チーム中心のNBLがようやく一つになり、1部、2部の計36チームは北海道から沖縄まで全国各地の都市に本拠地を置く。アリーナに関してはここが稼げる施設の整備で重要な役割を果たしそうだ。


アリーナに関しては、今秋開幕する「Bリーグ」が稼げる施設整備で重要な役割を果たしそうだ=共同

 Bリーグの各チームは1部5000人以上、2部3000人以上のホームアリーナの確保が参加の条件。従来の殺風景な体育館ではなく、プロスポーツとして華やかにショーアップされた空間の創出を目指している。現状は間に合わせで条件を満たしているケースが多いが、ホームタウンの自治体の協力を得られれば、これから各地で本格的なアリーナ建設が進むと期待される。

 自治体が主導する施設整備といっても、今度は採算度外視とはいかない。中心市街地に隣接した立地で、民間の資金とノウハウを活用するのが前提となる。商業、行政、防災など街の様々な機能を盛り込み、利益を生み出すプロフィットセンターとしなければならない。地方都市にとっては、交流人口を増やすためにも、コンサートや展示会などイベント会場としても展開できる複合集客施設は大きな武器になる。

■「日本版NCAA」創設が話題に

 大学スポーツの産業化については、「日本版NCAA」創設が話題になり始めた。全米大学体育協会(NCAA)は、米国の学生スポーツを統括、各競技の大会やリーグ戦を管理・運営し、テレビ放映権料やチケット収入を分配している。米国では学生フットボールや学生バスケットはプロスポーツに負けない人気を誇り、テレビの人気プログラムでもある。何万人も収容する自前のスタジアムやアリーナ持つ大学も珍しくない。

 日本でもかつて学生野球の早慶戦がプロ野球をしのぐ人気を誇った時代があった。だが、今では正月の箱根駅伝を除けば、大学スポーツに注目が集まることはほとんどない。NCAAの商業主義には批判もあり、教育の場である大学が生徒のスポーツ活動で稼ぐことには抵抗も強い。米国と同じようにするわけにはいかないが、学生スポーツの人気が盛り上がるのはみんなに歓迎されるし、学生選手の競技環境の向上にもつながる。現状はあまりにもったいない気がする。

 スポーツの産業化は、日本のスポーツが自立して健全に発展するには不可欠の条件だと思っている。社会保障費の削減や地域活性化などの課題解決に、スポーツは大きな役割を果たせると信じている。スポーツ庁には効果的で着実な施策の展開を期待したい。


日経新聞















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