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QBブレイディ、スーパーボウルの歴史に名を刻め スポーツライター 杉浦大介
米プロフットボールNFLの王座を決める第51回スーパーボウルが2月5日にテキサス州ヒューストンで行われる。今季はアメリカン・カンファレンス(AFC)を勝ち抜いたニューイングランド・ペイトリオッツ、ナショナル・カンファレンス(NFC)の王者となったアトランタ・ファルコンズの対戦となった。最大の注目を集めるのはペイトリオッツの司令塔、QBトム・ブレイディ。この試合に勝って史上最多タイの5度目のスーパーボウル制覇を果たし、ブレイディは歴史に名を刻むことになるのか。

■常に冷静沈着、リーグ内外から敬意

 米大リーグのボストン・レッドソックス、米プロバスケットボールNBAのボストン・セルティックスといった伝統チームが本拠を置くニューイングランド地方でも、ここしばらくはNFLのペイトリオッツこそが地元の看板チームであり続けてきた。


ベリチック・ヘッドコーチ(右)とブレイディはチームを支えてきた=AP

 2001~02年シーズンからの16シーズンで地区優勝を逃したのは2度のみ。その間にカンファレンス決勝に10度進み、スーパーボウルにも6度進出してきた。NFLはドラフトでの完全ウエーバー制、抜け道のないサラリーキャップ制度を敷き、32チーム間の戦力均衡化を目指している。そんなリーグ内で、これほど長期にわたって安定した強さを発揮しているのは驚異的だ。

 知将ビル・ベリチック・ヘッドコーチとともに、"現代最強チーム"を支えてきたのがQBブレイディだ。01年にブレイディがエースQBに就いて以降、ペイトリオッツは負け越しシーズンはゼロ。チームは4度のスーパーボウル制覇を果たし、そのうち3戦でブレイディが最優秀選手(MVP)に選ばれている。プロボウル選出は11度、シーズンMVP2度といった実績を見るまでもなく、ブレイディが現代最高クラスのQBであることに疑問の余地はない。

 ブレイディはジョン・エルウェーの強肩、ジョー・モンタナの正確無比のコントロールのように目を引く武器を持ち合わせておらず、00年のドラフトでは6巡目、全体の199番目指名と入団時の評価は低かった。しかし、ペイトリオッツ入り後は常に冷静沈着な態度を崩さず、ゲーム終盤にも力を発揮。屈指のビッグゲーム・プレーヤーと呼ばれ、リーグ内外からの尊敬を集めてきた。

 今季のレギュラーシーズン、プレーオフでも、ブレイディとペイトリオッツの快進撃は続いている。昨年11月20日以降は9連勝を継続。AFC第1シードで臨んだプレーオフでも、地区ラウンドでヒューストン・テキサンズに34―16、決勝では第3シードのスティーラーズに36―17で圧勝を飾った。

 ブレイディはプレーオフでの2試合を通じてパスで671ヤードを稼ぎ、5TDをマーク。特にAFC決勝では42本のパスのうち32本を成功させ、プレーオフのチーム記録となる384ヤードを獲得している。

 NFCを制したファルコンズと対戦するスーパーボウルでも、ラスベガスの優勝オッズでは近年の実績で勝るペイトリオッツが有利とされている。予想通りにペイトリオッツが勝った場合、常にチームの鍵を握るブレイディが史上最多の4度目のMVPを獲得する可能性は高い。

■ボールの空気圧巡る疑惑も経験

 このように一見するとすべてが順風満帆に思えるブレイディだったが、実は過去2年間は「デフレートゲート」という疑惑の渦中にも置かれてきた。

 事の発端は15年1月18日。ペイトリオッツがインディアナポリス・コルツに45―7で勝ったプレーオフ戦中にチーム関係者が注射器を使って意図的にボールの空気圧を下げ、握りやすくしていたという疑惑が試合後に発覚した。


スーパーボウルに向けてチーム練習するブレイディ=AP

 「ペイトリオッツの関係者がボールの空気圧に細工していた可能性が高い」「ブレイディも不正については少なくとも大筋は認識していた可能性が高い」

 15年5月にNFLが発表した計243ページに及ぶ調査結果では、そのようなショッキングな報告がなされた。

 ペイトリオッツの設備担当者2人が関わっていたとされる事件で、チームには100万ドルの罰金が科され、ドラフト指名権2つが剥奪された。加えて、ブレイディにも15~16年シーズンで4試合の出場停止が告げられてしまう。

 選手会の支援を受けたブレイディは、一度はこの裁定が無効であるとの訴訟に勝ち、昨季は全ゲームにスタメン出場した。しかし、結果に納得のいかないNFLは高等裁判所に控訴し、逆転勝訴を勝ち取る。ブレイディにもさらに最高裁判所に控訴するというオプションは残っていたが、昨年7月に今季最初の4戦で出場停止処分を受け入れることを発表した。

 「この1年半ほど、とてもつらい思いをした。そして、これ以上法廷で争うことはしないという苦渋の決断をした」

 7月15日、ブレイディは自身のフェイスブックページにそう記述した。真相がはっきりしないまま下された出場停止処分に関しては、依然として賛否がある。いずれにしても、これまで総じてクリーンなイメージだったNFLのゴールデンボーイにとって、キャリア最大の屈辱、挫折だったことは間違いない。

 今季序盤はゲーム出場はおろか、チーム施設への立ち入りも許されないという厳しい処分。昨年8月で39歳になったという年齢もあり、復帰後は苦しむだろうと予想する関係者は少なくなかった。そして、そんな背景を考えると、16~17年シーズンのブレイディのプレーは余計に驚異的に思えてくる。

 エースQBの復帰以降、ペイトリオッツはプレーオフも含めて13勝1敗と絶好調。ブレイディは28タッチダウンパス、2インターセプトという見事なまでの安定感を発揮する。今季のパス成功率67.4、QBレイティング(パス成功率、平均獲得ヤード、タッチダウン率、被インターセプト率の4要素で求められる)112.2は自身の17年に及ぶキャリアでも2番目の高さで、QBレイティングはリーグ2位でもあった。最初の4戦に出場しなかったにもかかわらず、ブレイディは結局8年連続でのプロボウル選出も果たしている。

■2年間に及ぶストーリー完結なるか


ブレイディはNFL史上最多タイの5度目のスーパーボウル制覇を目指す=AP

 セカンドチャンスを許すのが米国の特徴の一つでもある。今回はもともと処分への過程が不明確だったこともあり、復帰後のブレイディの活躍は米スポーツ界でも基本的に好意的に捉えられている。このまま頂点に立てば、波瀾(はらん)万丈だった今シーズンは、ブレイディの輝かしいキャリアの中でも最大級のハイライトとして刻まれることだろう。

 「今回のスーパーボウルで勝利したとき、ブレイディは史上最高のQBと呼ばれることになるのだろうか」

 決戦を前にスポーツ・イラストレイテッド誌にはそんな見出しが躍った。

 「違う時代の選手を比較するのは簡単ではないが、シーズン、スーパーボウルの両方でこれほどの実績を残した選手を"史上最高"と称さないことは難しい」

 同誌のピーター・キング記者がそう述べる通り、NFL史上最多タイの5度目のスーパーボウル制覇を果たし、史上最多4度目のMVPを獲得すれば、ブレイディをほかの歴史に名を残すQBと比較する声はさらに増えるはずだ。

 最終決戦で対戦するファルコンズのQBマット・ライアンも、今季は自己最高のパス4944ヤード、38TDパスをマークし、MVP候補に挙げられている。この難敵を倒し、ブレイディはリーグ史にまた新たな形で名を刻めるか。

 自身に出場停止処分を科したロジャー・グッデル・コミッショナーから優勝、MVPトロフィーを受け取れば、少々皮肉なドラマにもなる。2年間に及ぶストーリーが完結するお膳立ては整った。全米がお祭り騒ぎになるスーパーボウルの舞台でも、ペイトリオッツの背番号12に最大の注目が集まることは間違いない。

日経新聞



















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