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ホームポッドが「Siriスピーカー」になれなかった理由
5日の米アップルの「世界開発者会議(WWDC)」での発表を控え、インターネット上では同社が米アマゾン・ドット・コムの音声人工知能(AI)機能「アレクサ」や米グーグルのスマートスピーカー「グーグルホーム」を追撃する機器を披露するという話題で持ちきりだった。ところが、同社が発表したのは、どちらかと言えば家庭用音響システム「ソノス」に挑んでいるかのような「ホームポッド」だった。これはアップルのホームオートメーション機能「ホームキット」で各部屋に置かれる新たな音響機能であり、音楽に特化したスマートスピーカーで、音質は素晴らしく、音声AI機能「Siri」は他の家庭用アシスタントに加えて「音楽博士」役もこなす。ホームポッドは「家を盛り上げてくれる」(アップル)という。



■音声インターフェースが不十分のため音楽に特化

 では、アップルはなぜニッチを目指すことにしたのか。音声インターフェースがまだ不十分なため、音楽に特化し、適切な体験を提供する方を選んだというのが実情のようだ。アレクサやグーグルの音声AI機能「グーグルアシスタント」、米マイクロソフトの「コルタナ」、Siriを使ったことがあれば、質問や指示の構成が答えの質を左右することは知っているだろう。こうしたテクノロジーがミスを犯す割合は今や人間よりも低いが、機械学習は同じ内容を聞く場合でもいろいろな言い方があることをまだ学び始めた段階だ。

 根本的には、こうした機器にどう話しかけるべきかを考えなくてはならない状況は望ましくない。このため、ホームポッドの「音楽博士」は、多くの音楽マニアのニュアンスを理解できると思う。粗野ぶった50歳の人の言い方を調査済みなら「フレッシュなビートを届けてくれ」と言っても通じるだろう。しかも、文脈の理解力が売りなので「このドラマーは誰?」という聞き方でも、今流れている曲の具体的な情報を提供してくれる。

 アップルは他にもニュース、翻訳、天気予報、スポーツなど13分野でSiriのスキル開発に懸命に取り組んでいると強調する。確かに、ホームキットには対応しているが、アマゾンの「エコー」で可能な1万種類のスキルには及ばない。さらに、ホームポッドではメッセージングサービスが使える。筆者のグーグルホームでは、できないと謝る機能だ。だが、ホームポッドのメッセージング機能が「iメッセージ」に限定されるなら、受信者もアップルの端末を使っていなければならない。

 音楽に特化し、他のホームアシスタントの機能をほめてみせることで、アップルは「実用最小限の製品(MVP)」を提供しつつも、これを持ち前の分野の素晴らしい体験として上手に売ろうとしている。アップルが「iTunes」や「iPod」をもたらしたことを思えば、ホームポッドにも納得がいく。だが、これは音声インターフェースの世界へのごく小さな一歩だと考えるべきだ。

 iPodが2001年に世界で発売されて以来、われわれは「製品の消費者」から「体験の消費者」へと徐々に進化してきた。体験の重要性が増すにつれ、インターフェースの複雑さは必然的に失われた。その結果が、話しかけられるのを待っているマイクとさまざまな水準の機能を備え、光を脈打ちながらキッチンに構えるスマートスピーカーだ。これは初代iPodと同じようなものだと考えるべきだ。

 当然ながら、先行するライバルはすでに次の段階を模索している。アマゾンは6月下旬に発売する「エコー・ショー」で、アレクサを使って情報を視覚的に表示する。グーグルは声を聞き分け、体験を個別化する必要性を理解する。ホームポッドとグーグルホームでは「シーン」をつくり出すことも可能だ。「おやすみなさい」などという指示で、電気を消し、玄関を施錠し、温度コントロール(サーモスタット)を快眠に適した温度に設定する。もっとも、どれも猫を外に出すことはできていない。

 利用者のニーズを理解することでこうした発展は可能になる。研究者はこれまで、対象者を観察するにはその人の家に入らなくてはならなかったが、アップルとグーグル、アマゾンはお金を払った顧客が知見を提供してくれる。スマートスピーカーは言われたことを聞き、その詳細をカリフォルニア州(にある3社の本社)に送り返すことができる。「ヘイ、Siri」と言った瞬間、次の会話はシステムに吸い込まれ、機械学習が動き出す。やがて、アップルは「マンチェスターで雨が降っているか」を尋ねる127通りの言い方を学ぶだろう。

 そこで浮上するのがプライバシーの問題だ。今ではばんそうこうは膝の上よりもノート型パソコン内蔵カメラに貼るのが一般的なように、共謀論者らはインターネットに常につながっているアシスタントを、ティーポットカバーで覆うようになるのだろうか。アップルは利用者が「ヘイ、Siri」と呼びかけて起動させない限り、ホームポッドが会話を聞くことはないと明言し、聴衆を安心させようとした。今はその通りかもしれないが、会話体験を重視する方向に傾けば、問題が生じる可能性はある。どの時点で会話が終わり、盗み聞きが始まるのだろうか。

 アップルはホームポッドに画面を搭載しないと明らかにしたことで、チャンスを逃したのだろうか。12月から提供される体験は、機器の価格に見合うのだろうか。ホームポッドが発売されるまでの6カ月間、アマゾンとグーグルも手をこまぬいてはいないだろう。このため、アップルはホームポッドがドラマーの名前をあげる以上に頼もしいことを示さなくてはならない。

By Chris Constantine(英デジタル代理店シジジィのユーザー体験部門リーダー)

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)
























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