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耳にコンピューター、「イヤホン+α」で5兆円市場へ 急成長「ヒアラブル端末」
かつて人々のライフスタイルを変えたソニーの「Walkman」。それに勝るとも劣らない衝撃をもたらし得る「ヒアラブル端末」(hearableはheadphoneとwearableを組み合わせた造語)と呼ばれるイヤホン型コンピューターが続々と製品化されている。同時通訳機能や音声インターフェースを用いた"秘書"機能などが実装され始めており、伸び悩むウエアラブル端末の閉塞感を破る製品群になりそうだ。
 耳に装着する超小型コンピューター「ヒアラブル端末」の市場が急速に立ち上がりつつある。先陣を切るのは、スマートフォン(スマホ)や音楽プレーヤーとのコードがないワイヤレスヘッドホンやワイヤレスイヤホン、スマホなどとの連携機能を高めた補聴器など。中でも特に脚光を浴びているのが、左右のスピーカーをつなぐコードさえもなくした「完全ワイヤレスステレオ(TWS:Truly Wireless Stereo)イヤホン」と呼ばれる製品群である(図1)。



図1 主な完全ワイヤレスステレオ(TWS:Truly Wireless Stereo)イヤホン製品と、それらのおおよその出荷時期と価格帯(a)。これまで日本からは、「W800BT」などを製品化したオンキヨー&パイオニア イノベーションズだけが参戦していたが、今後は日本メーカーの製品も急増する見通しである(b)(写真:AMPS Air、Dot、Here One、IQbuds、Pilot、Ripplebuds、W800BT、NECは各社)
■歴史は事実上1年半

 TWSイヤホンは登場して間もない。片耳だけに対応したBluetoothヘッドセットは以前からあったが、両耳に対応したTWSイヤホンは、2008年にドイツのオーディオ機器メーカーSENNHEISERが発売した「MX W1」が初だった。ただ、当時は利用者の幅広い支持を得られず、単発の製品で終わった。

 今回の潮流が、事実上スタートしたのはわずか約1年半前。2015年12月にスウェーデンEpickalが開発し、同EARINが販売する「EARIN M-1」が皮切りだ。続く2016年1月にドイツBragiの「THE DASH」が登場してから、製品が爆発的に増え始めた。現在は米国などで出荷されている製品だけで40超。開発中のものを含めると60を超える。

 急増した背景の1つは、米Apple(アップル)が、スマホ「iPhone 7」からイヤホン用のミニジャックを除去したことにある。実際、多数のベンダーが、世界で2億台超の販売が見込めるiPhone 7での特需を見込んで、2016年秋に一斉にワイヤレスイヤホン、特にTWSイヤホンを発売した。

■3年後には世界で5兆円市場に

 ヒアラブル端末への関心は高まるばかりだ。例えば、米国のクラウドファンディングに出展されたヒアラブル端末約40種類に対する"投資額"は約3000万ドル(1米ドル=112円で約34億円)を超えた。

 投資額の筆頭は米Waverly Labsの「Pilot」に対する450万米ドル(約5億円)だ。日本のCFであるMakuakeに出展された、中国Crazybabyの「Air」にも、Makuakeとしての最高額である9447万4700円が集まった。

 既に発売済みのAppleの「AirPods」を含む幾つかの製品も、非常に人気が高く、品薄状態の製品が多い。ワイヤレスヘッドホンなどを含むヒアラブル端末製品市場全体は、2020年には2016年の4倍の約5兆円弱になるという予測もある(図2)。


図2 調査会社の英WiFore Wireless Consultingによる、ヘッドホンや補聴器なども含めたヒアラブル端末の市場規模予測。2020年には市場全体で約5兆円弱、補聴器を含むイヤホン型端末だけでも約2兆円の市場になるとする

 「当初予想の3倍売れている」とするのは、オンキヨー&パイオニア イノベーションズ 代表取締役の宮城謙二氏だ。同社は2016年10月に日本のメーカーとして初めてTWSイヤホン「W800BT」を発売した。

■日本メーカーは付加機能で勝負へ

 今後は、他の日本のメーカーも独自の特徴を出しながら、ヒアラブル市場に続々と参入してきそうだ(図1(b))。JVCケンウッドは、アマチュアのミュージシャン向けに、プロの演奏をイヤホンで聞きながら、自ら楽器を演奏することで、プロとの仮想セッションを楽しむといった使い方ができるワイヤレスイヤホンを開発した。

 ソニーは2017年1月に開かれた米国での展示会「CES 2017」で、アクティブノイズキャンセリング(NC)機能を実装したTWSイヤホンのコンセプトモデルを出展。同年内に発売することを明らかにした。ソニーは、こうしたTWSイヤホンを、代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)の平井一夫氏が2016年に発表した「ラスト1インチ」戦略の重要な一手と位置付ける。同戦略は、ウエラブル端末とAR(拡張現実)やVR(仮想現実)を融合させていく戦略である。

 NECは、TWSではない片耳向けだが、指紋の代わりに耳の内部の形状などで本人を認証できる無線イヤホン製品の実証実験を2017年6月に始め、2018年に実用化する計画だ。

■音楽再生機能がない製品も

 各社はTWSイヤホンを単なる音楽再生用のワイヤレスイヤホンではなく、発展性が高い「イヤホン型コンピューター」だと考えている。そう位置付けるのは日本のメーカーだけではない。既に、音楽再生機能が主目的でなかったり、そもそもその機能がなかったりする製品も登場している(図3)。


図3 音楽鑑賞以外の機能をアピールする製品や開発品の例を示した。Waverly Labsが開発したTWSイヤホン「Pilot」は、多言語間の通訳機能を備える(a)。2017年秋に英語圏の国で出荷予定。QuietOnは、アクティブNC機能で、外部の騒音を遮断することに特化した"電子耳栓"を製品化した(b)。広島市立大学の谷口和弘氏は、同氏が提唱する「イヤラブル」の例として、耳飾り型のデバイスにさまざまなセンサーを実装した「Halo」を試作した。装飾を兼ねた太陽電池も実装。音声などは骨伝導で伝える(写真:(a)はWaverly Labs)

 例えば、クラウドファンディングで約5億円を集めたWaverly Labsは、2017年9月に英語圏で出荷予定のPilotの主な機能として、多言語間の同時通訳機能を掲げる。Pilotを装着した人同士であれば、互いに異なる言語で話していても、耳には翻訳された言葉が聞こえてくるという。当初は英語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語の5カ国語間での音声による同時通訳機能を実装予定。翻訳の機能はスマホ経由でつながったクラウド上で実現する。

 同時通訳機能は、TWSイヤホンの草分けであるBragiも近く製品に実装予定だ。Bragiは米IBMと提携している。IBMの人工知能(AI)システム「Watson」を利用して同時通訳を含むさまざまな新機能を実現する計画である。

 フィンランドQuietOnは、外部の騒音を遮断する機能に特化した"電子耳栓"を2016年に出荷した。音楽再生機能がない上、一切の操作ボタンもなく、充電器を兼ねた収納ケースから出すだけで動作する。

 広島市立大学 情報科学研究科 医用ロボット研究室 講師の谷口和弘氏は、音楽再生以外の多くの機能を実装可能な耳飾り型コンピューター「Halo」を試作した(図3(c))。谷口氏は2008年の時点で、イヤホン型コンピューターが社会に与える影響を予測し、「イヤラブル(earable)」という独自の名前で呼んでいる。

[日経エレクトロニクス2017年6月号の記事を再構成]

























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