FC2ブログ

SPORTOURS(スポーツアーズ)情報掲示板

スポーツは明日を生きるエネルギー。感動できる「場面」を提供します。
水田IoTで効率化、低消費電力無線の低価格化で普及へ
農業用の無線センサー端末の価格を1万円に引き下げ、全国の水田に敷設する試みが始まる(図1)。


図1 水田用のIoT機器。通信ネットワークとセンサーを搭載する(写真:ベジタリア)

 IT(情報技術)農業ベンチャー企業のベジタリアが、NTTドコモなどと協力して展開していく。年間の国内市場規模が約2兆円と巨大な水稲栽培に向ける。

 多くの農家が入手しやすい安価なIoT(モノのインターネット)システムを構築し、作業の効率化と農作物の高付加価値化につなげる(図2)。国内での普及にメドを立てれば、東南アジアなど海外の稲作農家にも販売する。

 既に試作機を一部の農家で実証している。農家に栽培や経営を支援する普及指導員(農林水産省による国家資格取得者)が、43道府県の一部の水稲栽培農家に対して、無線センサー端末の試作機を使った支援サービスを提供している。


図2  水田に設置するIoT機器で使うセンサーの例と、ユーザーとなる農家が閲覧する画面のイメージ。気温などの環境データが確認可能。他のユーザーのデータも地図上に表示される。こうした水稲用のIoT機器をまずは一部の農家が43道府県に設置する。(図と写真:ベジタリア)

 今後ベジタリアは、現在は5万円ほどの同端末を2018年までに1万円程度に低価格化し、NTTドコモなどとともに全国の農家に向けて本格的に販売していく(図3)。同端末の開発では、農林水産省が公募したプロジェクトで、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構) 農業技術革新工学研究センターが進める研究に参加している。


図3 農業用IoT機器を開発しているベジタリアは、稲作農家が水田ごとに設置するIoT機器の単価を1万円に引き下げる目標を掲げている。(図と写真:ベジタリア)

■「本丸」の稲作をIoT化

 IoTの農業への適用は進みつつあるが、これまではイチゴやトマト、レタスなどの果物・野菜がほとんどで、水稲栽培を対象にする例は少なかったという。大半を占める中小規模の農家には、数十万~数百万円といった設備投資が負担になって、導入意向が低いとみられていることによる。ベジタリアはセンサー端末の価格を大幅に引き下げることに加えて、普及指導員の一般農家への支援によって、普及が一気に進むとみる。

 同社は、農村地域に点在する水田にセンサー端末を広く敷設した後は、農業用のダムや橋梁などの防災インフラの保守用IoTシステムのゲートウエーとしても採用を働きかける。

■指導員が遠隔から支援も

 1万円に低価格化する計画の無線センサー端末は、同社が販売中の製品の後継機種となる。現行機は、水位、水温、土壌、CO2(二酸化炭素)などのセンサーと、3G(第3世代)携帯電話通信インターフェースを備える。

 現行機を使って、農家や普及指導員は、タブレット端末から水田の状況をリアルタイムで確認している。農家は、水位や水温を適切に維持するための水管理作業に多くの時間を割いているが、水位や水温のチェック、さらには水門の開閉が遠隔から可能である。ピンポイントの気温履歴などから病害虫の発生警告を発したり、肥料や農薬を投入した履歴を管理したりできる。

 普及指導員が、その水田に応じた最適な栽培条件を農家に遠隔から指導することも可能だ。

■標準化で低コスト化

 ベジタリアは、無線センサー端末の価格を引き下げるために、公衆通信網と端末間および、センサーノードと端末間のインターフェース仕様を標準化する。端末のハードウエアの共用化と長期間での利用を可能にする狙いがある。

 無線センサー端末をインターネットに接続する通信網には、携帯電話網やLPWA(Low Power Wide Area)など複数の方法があり、今後も継続的な進化が見込まれることから、10年以上の長期利用が前提の農業向けで、1方式に固定することは難しい。そこで、標準的で長期にわたって利用が継続されそうなインターフェースを利用する。パソコン向けに開発され産業用ボードにも使われている「mini PCI Express」を同社は有力候補として検討中だ。

 同インターフェースなら、3Gや4Gといった携帯電話網対応のカード、LoRaWANやSigfoxなどのLPWA網対応のカードが既に製品化されている。「今後登場するNB-IoTなどの対応品が出てくると見ている」(同社 取締役 技術開発本部長の島村博氏)。

 センサーとの物理インターフェースにも標準コネクターを使う。試験機には、防水仕様のUSB(当初からある「TypeA」)を使っており、今後も使用を継続か、新しい仕様を策定するかを現在検討中である。

■「センサープラグアンドプレー」に

 センサーノードをコネクターに挿せば、農家が設定しなくても利用可能な「センサープラグアンドプレー」をベジタリアは実現していく考えだ。

 センサーノード側にARMコア搭載マイコンを実装し、センサーノードの種類や精度、補正に必要な情報などを端末とやり取りする。タブレットは、端末を経由して得た一連の情報から適切なGUIでセンサーノードの測定結果を表示する。

 センサーノードと端末の間でデータをやり取りするための通信プロトコルの仕様については、ベジタリアが開発中である。仕様を公開し、さまざまなセンサーメーカーがこれに対応したセンサーノードを提供するようになることを狙う。

 なお同様の目的で使われている「TEDS(Transducer Electronic Data Sheet)」(IEEE1451で規定)は、誤差補正の処理の負荷がセンサーノードにとって重く、今回の目的には使いにくいとする。BLE(Bluetooth Low Energy)は、センサーノードを端末側で認識させる手続きが必要となり、水田などの現場には適さないと判断した。

[日経エレクトロニクス2017年7月号]
























スポンサーサイト



【2017/07/29 06:40】 | Think different | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<藤本、I・H・ホと並び首位 ダンロップ福島ゴルフ第3日 | ホーム | 自動車保険にAI 保険額を運転データで即座に検証>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://sportours2008.blog120.fc2.com/tb.php/7124-4c5992b4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |