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大谷顔負けの二刀流
投げては10勝、打っては3割2分2厘、22本塁打。日本ハム・大谷翔平の"二刀流"が話題をさらった2016年、実はソフトボールでも投打で大活躍した選手がいた。


大きく前に足を踏み出して肩を回すフォームから最速110キロの球を投げる

 日本代表の藤田倭(太陽誘電)がその人。こちらは日本リーグ女子で打者として8本塁打の20打点、投手としても14勝を挙げ、本塁打王、打点王、最多勝の3冠に輝き、MVPにも選出された。日本ソフトボール協会によると、記録の残る1983年以降で投打の3冠は初めての快挙だった。

 その実力は、日本代表でもいかんなく発揮されている。今年8月に行われた4カ国対抗のジャパンカップ。藤田は投打ともに抜群の存在感を示した。

 エースの上野由岐子(ビックカメラ高崎)に代わり一回から登板した決勝戦。100キロ超の直球を軸に、変化球も織り交ぜ米国の強力打線を次々と打ち取る。3回1失点で試合を作ると、再登板した最終回も無失点で切り抜けた。

 ケガで欠場した山本優(同)の代役として4番にも入り、同点の七回裏1死満塁で、センターへ特大のサヨナラ犠牲フライを放った。日本代表ヘッドコーチの宇津木麗華は「大事な場面で大きいのを打ってくれる。素晴らしい選手」と絶大な信頼を寄せる。

 165センチ、70キロ。がっしりした体形を生かした力強いプレーが持ち味だ。大きく前に足を踏み出して強肩を回し、最速110キロの球を投げ込む。ひとたび打席に立てば長くバットを持ち、思い切り振り抜いて外野へと飛ばす。

■「豪快」「全てが規格外」

 関係者はそんな藤田について「豪快」と口をそろえる。指導する太陽誘電監督の山路典子は「7割、8割の力で打っていい場面でも必ず100%の力で振る」と説明。宇津木も「球の速さこそ上野にはかなわないが、(バットの)スイングの速さは世界ナンバーワン」と太鼓判を押す。

 日本リーグでは14年にも本塁打数で4位、打点3位、投げては12勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得している。「これだけ振っても高い打率を残すというのは私の理論ではあり得ない。投手としても彼女なしにチームは成り立たないし、全てが規格外」と山路はあきれたように笑う。

 課題は投球のバリエーション。宇津木は藤田を上野と並ぶ日本代表の"二大エース"に指名しているが、「投手としての能力はまだこれから」と手厳しい。「体力はあるが、上野に比べて変化球が少ない。もっと増やしてくれたら……」

 藤田自身も日本代表の経験を積むにつれ、その必要性をかみしめている。「今までは力で抑えていた部分があった。新しい球種を覚えれば、冷静に余裕をもってマウンドに立てるはず」

 名前の「倭」には「日本を背負う人に」という思いが込められている。ソフトボールが正式競技に復活する20年東京五輪は、その名を満天下に知らしめるのにこれ以上ない舞台になるだろう。「日本代表として、全力で、恥じないプレーを見せたい」。熱くほとばしる"倭"魂を世界中に示す日が、少しずつ近づいている。=敬称略

〔日本経済新聞夕刊10月2日掲載〕
























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【2017/10/08 06:53】 | SPORTOURS | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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