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糖質制限食ブーム、専門家「極端だと免疫力低下も」
ダイエット目的で米などの摂取を極端に減らす糖質制限ブームが「ご飯離れ」に拍車をかけている。飲食業界はご飯抜きメニューを次々と考案するなど対応を進めるが、「極端な制限は栄養学的に問題」と警鐘を鳴らす専門家も。生産者側は日本の主食を揺るがしかねない流行に危機感を強め、「ご飯を食べるダイエット」を提唱し始めた。



「ご飯は全くといっていいほど食べない」。東京都内で働く会社員女性(26)は断言する。ダイエットのため食事から米を含めた糖質を制限。「明らかにやせた」と効果を実感しているといい、米からできた日本酒も抜くほどの徹底ぶりだ。

カレーをご飯ではなく、おからやキャベツの千切りにかけて食べることもあるという。「ライスなしでも満腹感を得られる」と話すが、実は女性の実家は山形県の米農家。実家からは定期的に自家生産した米が送られてくるが「実家には伝えていないが、ほとんど友達にあげている」と打ち明ける。

糖質制限食は摂取する炭水化物などを大幅に制限することで体重を減らしたり、血糖値などの検査数値を改善したりすることを狙う民間療法の一種。数年前から雑誌やテレビなどが相次いで特集するなどし、広まった。

飲食業界も流行に対応。回転ずし大手「くら寿司」は「野菜(831)の日」に当たる8月31日から、すしのシャリを大根の酢漬けに替える新商品「シャリ野菜」の販売を開始。シャリの量を半分にした「シャリプチ」も提供し、女性客を中心に好評だという。

同社の担当者は「ご飯は控えたいが、すしを楽しみたいお客様のニーズに合わせた商品」と説明。ほかにお弁当のご飯をブロッコリーや湯豆腐に変更できる飲食店も登場したほか、ご飯以外でも炭水化物である麺抜きのラーメンなどを提供する店もある。

文教大健康栄養学部の福永淑子教授(調理学)は「健康な人でも極端に炭水化物を食習慣から取り除くなどの糖質制限は免疫力の低下を招き、様々な疾病につながりかねない」と強調。「健康被害の恐れもあり、極端な糖質制限の風潮が浸透するのは危険」と警鐘を鳴らす。

ブームは日本人の主食、米の消費にも影響を与えかねない。もともと食生活の多様化や人口減などを背景に、日本人の1人当たりの米消費量は1962年度の年118.3キロをピークに下落に転じ、2016年度には同54.4キロ(概算)に半減。歯止めがかからない。

こうした中、ご飯を食べてやせる「おにぎりダイエット」を提唱しているのが全国農業協同組合連合会(JA全農)だ。

おにぎり1個は約180キロカロリーで、これを基準に食事量をコントロールしてもらう。16年2月からキャンペーンを始め、実践した人の7割が1カ月間で500グラム以上の減量に成功。体重が戻るリバウンドも起こしにくいとする。

JA全農の担当者は「極端な糖質制限の風潮は、米を含めた農業生産全体に関わる問題」と危機感を抱いており、「ご飯を楽しみながら、バランスのよい食事を取ってほしい」と期待している。

日経新聞























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