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ミズノIoTバット湿らせず課金体系変更で火噴くか
あらゆるモノがネットにつながる「IoT」時代の製造業は製品を売った後も顧客とつながり、サービスを提供して収益を上げていくべきだといわれる。しかし、実際には予期せぬ様々な障壁が立ちはだかる。バット用センサーで新事業に取り組むミズノの挑戦から学ぶ。

計画ほど売れていない解析システム

「なかなか計画しているほどは普及していないのは承知している……」。ミズノのダイアモンドスポーツ事業部事業部長の久保田憲史執行役員は、ある新製品の記者発表会(2017年9月4日)にて、2015年3月に発売したバットスイングを解析するシステム「スイングトレーサー」の販売状況について記者に問われ、こう説明した。

バットにセンサーを装着し、スイング速度などを計測可能にして指導に役立てるIoT製品だが、計画通りには市場に浸透していない。

なぜ苦戦しているのか、その道のりを振り返っていこう。

スイングトレーサーは、専用の取り付け器具(アタッチメント)をバットのグリップエンドに装着して、専用センサーをはめ込んだ状態でティーバッティングをすると、スイング時間、スイング回転半径など8項目を計測できる。


スイングトレーサーはバットに専用アタッチメントでセンサーを装着し、スイング速度などをスマホで確認できる


スイングトレーサーの活用イメージ(ミズノのWebサイトより)

価格はセンサーが2万9800円(税別、以下同)、アタッチメントが1800円、そして計測値を閲覧するためのサーバー使用料が選手用で980円(31日間)、コーチ用で2980円(同)だ。

久保田執行役員は、「投手の球速は昔からデータはあったが、打者はバットスイングの速ささえ分からなかった」と野球指導における課題を指摘する。データを基に指導できる画期的な仕組みで、様々なメディアが取り上げて注目を浴びた。

同製品のニュースリリースでは「新たなビジネスモデルへの挑戦」を掲げ、「継続的な定額サービスにより商品販売でない領域で収益を上げていく」と表明していた。バットを売るだけではなく、野球の技術向上を支援するサービス業への転換ともいえる。

苦戦の理由は2つ

しかし、発売から2年後、「導入数は伸びていない」と久保田執行役員は明かす。普及への課題は大きく2つあった。

一つが、これまでバットスイングに関するデータが指導に使われていなかったことだ。

スイングトレーサーの販売先は、高校野球のトップ級のチームや、社会人、大学の野球部を想定していた。店頭では誰もが興味を持ってくれたという。しかし、スイングスピードまでは数字の意味を理解できても、回転半径、ヘッド角度、ローリングなどはその数字にどういう意味があるか、ましてや指導にどう生かすか理解できない人が大半だった。

これまで存在しないデータだから当然である。ミズノでもそうした事態は想定しており、元侍ジャパン社会人代表監督の小島啓民氏らの協力を得て、活用法を解説する動画などを用意した。

ただ「頭で理解しても指導には結びつかない」(久保田執行役員)のが現実。また、データが間違った指導に使われてしまうこともある。

野球指導では昔から、バットを振り下ろすダウンスイングがよいとされてきた。しかし実際は誤解であるという。「マウンドから投げ下ろされた投手の球は5~10度の角度で向かってくる。それと同様の角度で当てることでバットの力をボールに伝えられる」(久保田執行役員)のだ。

しかし、自身の経験に基づく指導者は、スイングトレーサーでスイング軌道が上向きになっていると分かると、スイングを矯正しようとしてしまう。データは正しく使われてこそ効果を発揮する──。企業のデータ活用現場と共通するだろう。

もう一つが月額課金の仕組みだ。

野球部ではバット、ボールの購入費は予算として確保されるが、毎月980円を例えば20人分支払う部活動の銀行口座やクレジットカードは存在しない。高校の部活であれば部員の父兄に払ってもらえるのではないかとミズノでは考えたが、チームから家庭に払ってくれとは言えないのが実情だった。

その後に年払いの仕組みもつくったが、月払いであろうと年払いであろうと定期的に支払う仕組みがなじまないということは、製品を発売してみて理解できた。野球指導の市場を知り尽くしたミズノでも、である。

月額基本料金の撤廃を決断

しかしIoT製品の市場開拓は諦めていない。冒頭で紹介した会見で発表したのは、ボールにセンサーを内蔵して速度や回転数を計測可能にする「MAQ(マキュー)」だ。スイングトレーサーの反省を生かし、サービス設計を大きく転換した。


2018年春に発売するセンサー内蔵ボール「MAQ」。8時間で満充電になり、8時間使用できる


MAQの発表会にはミズノの久保田憲史執行役員(左から2番目)などに加えて、元横浜DeNAベイスターズの三浦大輔氏(右から3番目)も参加した

2018年春に発売するMAQでは、月額料金を撤廃する。本体価格は1万9800円、充電器が1万5000円だ。速度を確認、管理できるスマートフォンアプリは無料でダウンロードして利用できるようにする。

球速や回転数については、「トラックマン」という測定機器がプロ野球では普及している。なじみがある数字をより手軽に測定できれば、指導に生かされることが期待される。

スイングトレーサーも発売から2年、「このままでは下手したら終わってしまう。次の手を打つ」と久保田執行役員は決断した。

2018年春に課金体系を変更する予定だ。基本的なデータは、サーバー使用料なしに閲覧可能にする。データの蓄積やプロ選手のデータ閲覧など機能追加に応じて課金する。これにより個人での利用拡大も見込む。

センサーはセイコーエプソンから購入しており、ハードだけでは利幅は薄い。そこで当初はサーバー使用料で収益を稼ぐ予算設計だった。その予算を一端破棄して、MAQとともにまずは野球練習におけるデータ活用の浸透を優先させる。

「(データをトレーニングに)使う人を一挙に増やしたい。普及すればいろいろな指導方法が生まれてきて、話題も増えるだろう。ミズノとしてもビッグデータが集まれば次の一手が見えるかもしれない」と、久保田執行役員は課金体系の変更の理由を説明する。

2017年4月からはミズノに集まるデータを生かして、スイング速度の全国ランキングなどの情報提供を始めた。こうしたデータはスイングトレーサー以前には存在しなかった。ミズノはデータを商品開発に生かすことも検討している。

米国の販売店では自分に合うバットを選ぶシステムとしてスイングトレーサーが使われている。試打して数値を見ると、ほぼ購入に結びつくという。日本でも2018年春に展開予定だ。開発へ、販売へと事業貢献への新たな芽も出始めた。IoTを生かした新規事業の創造へ、ミズノの挑戦は続く。


[日経ビッグデータ2017年10月号]




























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【2017/12/30 06:43】 | SPORTOURS | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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