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無人運転車が生む「第4の画面」TVやスマホに続く VentureBeat
クルマが一般人の生活に普及し始めてから約100年。当初は富裕層向けの珍しい製品だったが、ヘンリー・フォード氏が生み出したイノベーション(技術革新)により量産技術を確立し、「狂乱の1920年代」とさえ称された好景気が訪れたのがきっかけだ。クルマは私たちの日常生活や娯楽、仕事の場所や方法を一変させた。

自動車業界のたゆまぬ技術革新により、現代のクルマはより速く、高燃費で、安全性が増している。だが、渋滞や事故、長時間運転に伴うストレスなどの問題はまだ解消されていない。このため、クルマの導入並みのインパクトを持つ「完全自動運転車」革命が起ころうとしている。


(c)Zapp2Photo / iStock

自動運転車の普及を巡っては課題もある。例えばマツダが2017年に調査会社イプソス・モリを通じて実施した調査では、自動運転車が普及しても自分で運転したいと答えた人は71%に上った。だが自動運転車が普及すれば、そこには個人が過ごす新しい空間で生まれる。次のフロンティアだ。

予想以上のスピードで普及する可能性も

一部のメーカーは既に「BMW」「アンフィニ」「ボルボ」「アウディ」などの高級車に半自動運転技術や自動運転機能を搭載している。米テスラの「オートパイロット」機能は現行法では対応しきれないほどの自動化の水準を誇り、ソフトウエアをアップデートするだけで機能を拡張できる。テスラの最高経営責任者(CEO)で創業者のイーロン・マスク氏は、10年もたてば「完全自動運転車ではないクルマをつくる方が珍しくなるだろう」と予測する。

自動車業界のビッグプレーヤーは既に大規模投資を進めている。米アップルは最近、自動ナビゲーションシステムの特許を取得。米ライドシェア大手のリフトや米半導体大手のクアルコムなどはカリフォルニア州で自動運転実験の認可を得た。さらに、米アルファベット傘下のウェイモは危なっかしい面もあるが、自動運転車を使ったライドシェア(相乗り)サービスの実用化に近づいている。

最も基本的なレベルの自動運転車には、自動ブレーキや車線維持支援など能動的な衝突回避技術が搭載されている。現在の半自動運転車が該当するもう少し上のレベルでは、一定の状況下でのみ運転し、速度を保ち、ブレーキをかける機能を持つ。さらに上のレベルでは、長距離を安全に走行でき、「運転手」は目的地を入力するだけで済むようになる。トラック輸送業界はもちろん、米ライドシェア大手のウーバーやリフトも運転手を使わずに事業を運営するようになるだろう。

第4の画面の導入

筆者のようなマーケティング担当者は、視聴者が広告を目にする画面を分類したくなる習性がある。現代はスマートフォン(スマホ)が第1の画面だとすると、テレビが第2の画面、タブレット端末とパソコンが第3の画面である。自動運転が普及すると、クルマが第4の画面になるのは間違いない。

自動運転車が普及すれば、「運転手」という考え方はなくなることはないが、限定的になる。クルマに乗っている人は全員観客になり、座席は注意力よりもくつろぎを重視したレイアウトになるだろう。車載インフォテインメントの画面は今でも十分大きいと思っていても、やがて小さく感じるようになる。画面の大きさは家のテレビに並び、現代のスマホのようにタッチ操作に完全に対応し、アプリやコンテンツ配信、ゲームができる高速インターネットアクセスが完備されるようになる。さらに、ヘッドアップディスプレー(HUD)が窓に映像を映し出すため、走行中に拡張現実(AR)のような効果が楽しめる。

おなじみだが新しい手法で消費者に到達

クルマに乗っている人は既にスマホに夢中になったり、後部座席の子どもたちを退屈させないようタブレット端末に頼ったりしている。だが、移動中の人をターゲットにした広告は限定的だ。ウェイズのようなカーナビゲーションアプリのスポンサー広告を除けば、モバイル端末のターゲティングはまだ最大限に活用されてはおらず、運転手の邪魔になるためインフォテインメントシステムの広告にも制約が多い。

自動運転車では全地球測位システム(GPS)と連動し、車載データにアクセスできるため、没入感のあるインフォテインメント画面が消費者の位置や目的地、運転パターンを把握し、消費者に役立つより的確なターゲティング広告を提供するようになる。さらに、車載ディスプレーが個人の端末と同期し、クルマの乗員に到達するより大きな端末エコシステムが誕生する可能性も高い。

ハイパーターゲティング広告

「第4の画面」の広告は大きな可能性を秘めている。これに関する調査はまだ少ないが、米フォレスター・リサーチの調査では、個人化され、関連性も高いコンテンツや広告の方を好む消費者は最大71%に上ることが示された。位置や目的地に関する豊富なデータに予測機能を持つ人工知能(AI)を組み合わせ、動画配信サービス「Hulu(フールー)」で動画の前に3マイル先にあるレストランの広告を流してはどうだろうか。食料品店に行く途中にレシピの動画や材料のクーポンを表示したり、夜遅くに都心に出かける人にホテルの特価情報を提供したりしてもよいだろう。

自動運転車はネット通販との競争で苦戦を強いられている実店舗に大きなチャンスをもたらす。地元の特売情報を受け取り、これをワンクリックで買い、購入した店まで乗せてくれ、その店のコンシェルジュサービスで買った商品をトランクに入れてもらえるようになれば、非常に便利だろう。

自動車の未来

こうしたイノベーションやチャンスは刺激的だが、突然訪れるわけではない。だが、自動車の未来が到来すれば、全く新たな視聴者や、取り込むべき新たな行動がマーケターに示される。筆者は車と運転が大好きなので、完全自動運転車とそれに伴う渋滞の解消を喜んで受け入れるが、スピードを出す楽しさをどう見いだせるのかも気になるところだ。

筆者のようなアナログ人間のための場は残るだろうし、自動運転車がその方向へ向かってくれることに期待している。

By Rob Kurfehs=米広告代理店オーガニックのグループクリエイティブディレクター

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)



























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